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2008年08月25日

「砂に書いたラヴレター」

週刊文春8月28日号の愛読連載、小林信彦「本音を申せば」に、夏の終わりで思い出す歌のことがいろいろ書かれてある。

シナトラやサラ・ヴォーンが歌った「ニューヨークの秋」(ヴァーノン・デューク作詞作曲)。
ペギー・リーやパティ・ペイジが印象的なヴィットリオ・デ・シーカの名作『終着駅』(1953)のテーマ曲「ローマの秋」…等々。

そして日本では「砂に書いたラヴレター」として知られている歌。
もともとは1931年に作られたバラードだが、映画『バーナディーン』(1957)でパット・ブーンが歌いミリオンセラーになった。

パット・ブーンは、当時人気を二分したエルビス・プレスリーの、親たちが眉をひそめる「良くない音楽」とは対照的に、いかにもその頃のアメリカのTVホームドラマに出てくる行儀正しい中産階級好青年のようで、甘い歌声が魅力的だった。

で、「砂に書いたラヴレター」だが、原題は「Love Letters In The Sand」

訳詞も自分でやっていたディック・ミネ(1908~1991)は、戦前「恋の砂文字」として歌った。

戦後日本での邦題は「砂に書いたラヴレター」であり、最初のフレーズは「今日のようなあの日、ぼくたちは砂にラヴレターを書いたね」となっている。

しかしこれは誤訳だろうという。
砂の上に何通もラヴレターを書いているわけではない。

正しく訳せば「砂の上のLoveという文字たち(Letters)」

砂浜に「Love」という文字を描き、波がそれを洗い流し、また描き、また消され…という Lost Love の情景と心象を歌ったものなのだ。

8 25, 2008 01.私の好きな鎌倉の風景, 08.ことばとコミュニケーション・文字・タイポグラフィ, 13.音楽の楽しみ |

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