樺太犬「タロ」
札幌・北大植物園博物館のタロの剥製。
樺太犬タロは1955(昭和30)年稚内でジロなどと生まれた。
56年、日本から初の第一次南極観測隊が南極観測船「宗谷」で出発し「犬ぞり」用として22頭の樺太犬が選抜されタロ、ジロも入っていた。
58年、第二次越冬隊が天候の悪化で昭和基地に到達できずに引き返し、交替を待っていた第一次隊員たちは重量が限られた小型機で宗谷に帰還できたが、15頭の犬たちは首輪でつながれたまま残された。
次の第三次越冬隊の派遣までは1年間あり、犬たちの命は絶望的というしかなかった。
ところが翌59年1月、昭和基地に到達した第三次越冬隊がタロとジロが生存していることを発見する。
おそらくはアザラシの糞やペンギンを捕獲して生きのびたと推測されている。
ジロは60年に昭和基地で病死。
タロは61年に帰国、北大植物園で愛されて飼われ、70年老衰で死亡。享年14。
1983年、高倉健、渡瀬恒彦、夏目雅子など出演の映画『南極物語』が公開。
2006年にはディズニーが『Eight Below(邦題・南極物語)』としてリメイク。
いずれも人間にとっての美談仕立てだが、星新一は、ペンギンの立場から見たらどうかという観点から『探検隊』というショートショートを書いている(『ようこそ地球さん』収録)。
現在、生態系保護のため、南極に外来生物は持ち込めない。
コメント