第1回「活字組版・活版印刷ワークショップ」(3/19)
デザイン学科に昨年末導入した活字と小型活版印刷機(Adana21J)を使っての「第1回 活字組版・活版印刷ワークショップ」。
インストラクターは朗文堂アダナ・プレス倶楽部の大石薫さん。
多摩美術大学上野毛デザイン学科は1989年の創設時以来、最新のコンピュータ環境を整え、デザイン教育と作品制作に活用してきている。
パソコンで文字の組版は簡単にでき、プリントボタンをクリックするだけでプリントできるデジタル時代になぜアナログの活字組版、活版印刷か。
活字活版印刷への単なるノスタルジーではない。
レイアウトソフトなどコンピュータのソフトウェアというのは活字組版以来の長いタイポグラフィの歴史のノウハウをバーチャルに実現しているもの。
そのバーチャルな世界に、タイポグラフィのことを知らない学生がいきなり入っていくと、ソフトウェアが自動的に作ってくれているということに気が付かないし、また善し悪しの判別力も身につかない。
かな漢字変換などではなく、活字という実体のあるものを、自分で探し出して指で拾い、手で組むことを通じて、文字とタイポグラフィ、その歴史に対する傾注力(アテンション)と審美性を判断する力は確実に違ってくる。
コンピュータは脳に直結するが、活字と印刷機などの道具を使っての手作業は身体を通じた想像力と審美力、つまり精神に通じるだろう。
活字を拾う「文選」作業。
漢字活字は伝統的な部首別ではなく一般的な音読み順に並べてあるのだが、探し出すには漢字に対する基本的な素養が問われる。
「ステッキ」と呼ばれるものに文字部分を一文字ずつ組んでいく「植字(しょくじ・ちょくじ)」プロセス。
一行を整え、行間を作るための作業も必要。
印刷機にかけるための版を作る「整版」。
印刷結果には表われないさまざまな込め物。
いよいよ印刷工程に入る。
一枚ずつ仕上がりを確かめながら。
レストランで食事すれば、食べて金を払って終わり。
しかし自宅で料理を作れば、食器や鍋などの後片付けを当然する。
版をばらし、活字を元の位置に戻し、印刷機をきれいに掃除して、はじめて次の作業に備えられる。
自分が使う道具を常に最良の状態に保つのは昔から手仕事、職人仕事の基本中の基本。
参加した学生たちの作品。
3 20, 2008 07.デザインの世界, 08.ことばとコミュニケーション・文字・タイポグラフィ, 11.教育と学びのデザイン | 固定リンク
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コメント
うん、一度ワークショップを受けた人は、有る程度自由に使えるから活用して。
TAKAMI Toshio | 2008年03月22日 15:35
和気あいあいと楽しみながら、書道や作法を教わっているような、あらたまった気持ちにもなりました。ありがとうございました!
ゆみねえ | 2008年03月21日 16:06