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2006年10月09日

地方のロードサイド風景

日本の地方を高速道路ではなく地方都市をつなぐ国道やバイパスを車で走っている(私は運転はしないのでいつも周りを見ている)と、ロードサイドの景観のあまりの醜悪さに暗澹たる気分になる。
物理的に荒廃しているわけでも環境衛生的に不潔なわけでもない。

しかし田んぼの中にも突然出現する大型ショッピングセンターや町そのものといっていいショッピングモール、ファミレス、安売り紳士服店、けばけばしいパチンコ店、家電量販店、カラオケボックス、中古車販売、無数のコンビニ……。しばらく走ればまたこのワンセットが次々に現れる。

遠景になにか特徴のある山並みでもあれば多少区別はつくが、北関東だろうと、上越だろうと、東海だろうと、ここ20年ほどで今ではまったく地域の風土の歴史や個性も矜恃も無い留めない画一化された風景となってしまった。

安倍晋三は先週の国会で「ナショナリズム」についての見解を求められ「自分が生まれ育ち、慣れ親しんだ自然や祖先、家族、地域のコミュニティーへの帰属意識だ」などと答えていた。「近代国家」におけるナショナリズムをまったく理解していない、あるいは明治以降のナショナリズム形成の上でのこうしたすり替えを踏襲する人物を私たちはまた首相としていただく。
安倍のいうような牧歌的な「ふるさと」や「地域コミュニティー」を日本中で壊してきたのは君たちではないか。

90年代以降、グローバリゼーションによって「総フランチャイズド化」が世界的にも押し進められ、日本の地方は過疎山間部以外は「総郊外化」され「消費社会化」し「ファスト風土化」している。

若い世代がこれらの変化を所与の現実としてさして疑問も抱かず受けとめていることに胸が痛む。
大都市圏に現在住んでいる人間にとっても自分の住んでいるところだけでなく、地方地域を創り直すこと(単に「シャッター街」と化したかつての商業中心地を活性化させるというレベルではなく)を考えることはこれからの日本社会と生活にとって欠かせない。


調べ考えるきっかけとしてー

『儲かれば、それでいいのか—グローバリズムの本質と地域の力』(「環境・持続社会」研究センター発行・コモンズ販売)
『ファスト風土化する日本ー郊外化とその病理』(三浦展・洋泉社新書y)
『失われた景観ー戦後日本が築いたもの』(松原隆一郎・PHP新書)
『<景観>を再考する』(松原隆一郎他・青弓社)
『品格なくして地域なし』(晶文社)

10 9, 2006 15.社会・政治・思想・歴史そして世界へ, 16.都市・住い・インテリア・暮らし |

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