京都行-12 京の宿 石原-2
「京の宿 石原」のご主人、石原元治さんは、1979年、初めて黒澤明監督が泊まりに来たときに接して、この人にはかっこつけてもだめだ、ありのままでいくしかない、と感得する。
お世辞は通じない、形式張ったことは大嫌い、懐石よりすき焼き、松茸より筍がいいという。戦前は書画を商っていたのでその頃の名残の書画や道具類がさりげなく使われている。黒澤はそれらを見渡し、昔のものはいいねえ、どんな名の無いものでも職人さんがきちんと作っているものはいい、と眼を細める。
長期に滞在するときはこの上賀茂の間に仕事用の机とベッドを持ち込んだ。
仕事中は声もかけられないような緊張感があったが、食事時になると、親父、一緒に飲もうよ、と気さくだったそうだ。
宿にあるアルバム写真左上には、仲代達也、大瀧秀治、根津甚八などの顔が見える。京都在住の宮川一夫もよく宿を訪ねた。
左は『八月の狂詩曲』の、右は未完の遺稿『雨あがる』(1999年に黒澤組の面々により映画化)の没原稿。いずれも屑籠から石原さんがとっておいたもの。
京の朝、黒澤も朝食をとっていた間で、塩鮭、胡麻豆腐、賀茂茄子の味噌焼き、目玉焼き、海苔、京の漬け物…
9 9, 2005 12.写真・映像・映画・演劇, 22.旅先で | 固定リンク
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