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2005年03月30日

ルネ・ラリック展

050330lalique

※「立像(シュザンヌ)」(1925)。ガラスの厚みに応じて白濁の具合が変化するオパルセント・ガラスの特性を生かしている。

きょうから4月11日まで、ルネ・ラリック展が日本橋高島屋で開かれる。
私は月初めに京都に行ったときに既に一度観た。

ラリック(1860〜1945)はとても興味深い経歴のアーティストでありデザイナーだ。近代の資本主義社会と産業化のなかにおける工芸、デザインのあり方、人々にとっての意味や意義をとらえ返す上で、アート&クラフツの挫折の後の時代をはるかに長い射程で生き抜いた。建築、彫刻、絵画などの「大芸術」に比してマイナーにとらえられていた工芸が芸術の名に値することを実証し、後に産業(量産)と融合することを目指した。

19世紀末、アール・ヌーボー華やかなりし頃、宝石の価値の高さを誇示する旧来の宝石細工ではなく、遠近法、色彩法、彫刻技法などの美術の手法を大胆に駆使し、自然界の生き物や妖精、女神、牧神たちなど独自のイマジネーションの世界を七宝細工で表現する。エミール・ガレに「現代宝飾工芸の創始者」と言わしめ、1900年のパリ万博では「ラリックの陳列こそがフランスの勝利を表している」と評された。

名声の絶頂で、すでに50歳になってから、彼はガラス工芸に本格的に転身する。
あらゆる素材を試し、色遣いを研究し、また逆に無色透明さの美を光と影だけで表現する。
アール・デコ期以降の産業化における問題は、もっと違うジャンルのモダン・デザインとの関係や比較の問題としても調べてみたい。

友人の美術工芸史家で日本におけるラリック研究の第一人者である池田まゆみさんが、この展覧会(池田さんが監修)の図録も兼ねた『ルネ・ラリック 光への軌跡』(平凡社)を刊行した。たくさんの写真と歴史的な流れが分かりやすい構成、詳細な解説がすばらしい。

今月は19日に「箱根ラリック美術館」(仙石原)もオープンしている。

3 30, 2005 10.美術工芸 |

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