
神奈川の地域ニュースを中心にした神奈川新聞社のウェブサイトが全面的にリニューアルしてブログを基本環境にした。「カナロコ」と称する。神奈川の「カナ」にどういうつながりか知らないがハワイ語で「現地人」を意味する「ロコ」を組み合わせたそうだ。
既存の新聞社がブログを取り入れたものとしては夕刊フジBLOGがあるが「30-50代の男の仕事・健康・生き方…」に限定しており、まあオヤジサラリーマン向けに夕刊フジの中の方にあるような記事を適当に配置したものでニュース性も拡がりもあまりない。
私も住んでいる神奈川県の総人口は870万人 (2004.12)。東京都、大阪府に次ぐ大人口だ。
神奈川新聞の発行部数は22万5千部で、神奈川県内の日刊紙では、読売107万部、朝日100万部、日経27万部に次ぐ。毎日22万部より多く、東京11万部、産経10万部の倍以上(2003.4 日本ABC協会)。
本社は横浜で、県内に6つの支社・総局、その下に15の支局を置き、横浜、川崎、横須賀、湘南、相模原・県央、県西の6つのエリア版を持つ。県外・国際ニュースは共同通信社からのものだ。
「カナロコ」に「住民登録」する必要がある(一部コンテンツは不要)。今のところ無料だ。登録画面の選択からみると別に神奈川県民である必要はない。
ニュースとしては神奈川新聞ニュース(カナガワ事件簿・スポーツニュース・ローカルニュース」)。その他LIVE MARKET(県内のライブハウスの情報・コラム)、MMブログ(みなとみらい線6駅周辺のクチコミ情報を応募参加者がレポート)、またこれは特筆すべきだが、カナロコ編集部ブログもある。
どれもコメント、トラックバックを受け付ける(ニュースへのコメントは4月から)。
駅ごとニッチ情報ブログに市民を参加させるというのは神奈川県内にいくつ鉄道の駅があるのか知らないがいくらでも拡げられる。
けれどたとえばいくら6つの支社・総局、その下に15の支局といっても、19市7郡17町1村の議会の生の動きなどをすべてチェックすることなどできないだろう。どこでいつ誰がどのようなプロセスで決めたのか分からないのが地方政治の日常だ。こういうことにこそ市民参加の「眼」を求めたらどうか。
編集部ブログではかなり正直にこんなことが書かれている。
「現在、このニュースでは"コメント""トラックバック"の機能は閉じています。"お試し版"として検索、カテゴリーなどの機能に訪問者になじんでもらうのがひとつの狙いです。もうひとつ、本音を明かせば、ネットの世界で話題になる"荒らし"や"煽り"があったらどうしようとおびえたからでもあります。 ニュースを会員制コンテンツにしてから、"コメント"機能を生かします。 新聞社って臆病なんです」「臆病に始めたことを皆さんが支持していただいたことで、少なくとも方向は間違ってはいなかったと実感し始めています」
リンクさえ嫌うような、現状分析力、危機意識、将来への洞察力、ジャーナリズムとしての矜恃のかけらもない大新聞のありさまを思えば一地方新聞社サイトのこの「臆病さ」を嗤うつもりはない。
しかしあえて言うが、たかが「荒らし」や「煽り」ごときに「新聞社」「ジャーナリスト」(違うの?)が怯えてどうするんだ。
ポリシーをしっかり立て、毅然と対応すればいいだけではないか。
過去記事が1ヶ月分というのも、「カナガワ事件簿」は「人権上の配慮などにより記事全文の掲載は24時間とし、過去記事は削除しています」というのもまったく納得できない。コメントもトラックバックも消えてしまう。
情報というのは新しさとともに「蓄積」が重要なのではないか?蓄積されなければつながりも拡がりも検証も生まれない。これでは「歴史」は作れないではないか?印刷物としての新聞は縮刷版などの形でずっと残っていくのに何を怖れているのだ。
しかし、とりあえずこの試みには拍手を贈り、毎日チェックしたい。健闘を祈ります。