Iray & Iray(アイラ&アイラ)ー渋谷の隠れ家バーで
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夜の渋谷で終電まで時間があると、私が酒に関しては絶大な信頼を寄せているバーテンダーTさんが咋夏から独りでやっているバーに立ち寄る。繁華街からはちょっと外れている隠れ家。10名ほどでいっぱいだが、内装・インテリアも行き届いた瀟洒で落ち着いた店だ。
上野毛の「ミキ」に以前出張してくれたとき作ってもらったドライマティニはそれまでどこで飲んだマティニより私にはフィットした。たしか7〜8杯は飲んだのだが、飲みすすむにつれて私の反応に応じて微妙に調合を変えていっている。バーテンダーが酒を客にサーブするというのは、サービスやホスピタリティであると同時にコミュニケーション・デザインでもあるのだ、と感服した。
この夜の私の気分はアイラ(英アイラ島のシングルモルト・ウィスキー)の強いもの。
薦められた「Kingsbury's Iray & Iray」は、アバディーンのKingsbury社がカリラ(CAOL ILA)とボウモア(BOWMORE)から樽ごと仕入れ、9:1の割合で詰めたもの(1993年)。アルコール濃度は60度。
明るい黄金色。香りは私はあまり敏感でないのでなんともいえない。口に含むとやや胡椒に感じるようなドライさが素晴らしく、そして芳香が鼻に抜ける。かすかにボウモアの海草っぽさと最後にこれもかすかな甘味。
終電の時間がうらめしくなる瞬間だ。
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