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2004年10月03日

凜林/りんりん(鎌倉二階堂)-1

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老母の80歳誕生日を「凜林(りんりん)」で祝った。

凜林は歩いていてふと目に留まり入ってみるというような場所にある店ではない。
鶴岡八幡宮から金沢街道・岐れ道を左に鎌倉宮に至り、右側から瑞泉寺への狭い道をずっとたどる。
二階堂の深い谷戸(やと)に1327年創建された瑞泉寺は臨済宗の禅寺だ。鎌倉らしい静謐と四季折々の花や銘木などの魅力で人の訪れも多い。本堂裏の錦屏山(きんぺいさん)前の庭園は発掘復元されたもの。高名な禅僧夢窓疎石(1275—1351)によるもので「書院庭園」の起源と呼ばれる。鎌倉で現存する鎌倉期唯一の庭園だ。
参道のずっと手前に総門があり、右側を迂回して通る。参道に向かわず右に入る。この先は鎌倉の北側を囲む山並みを歩ける天園ハイキングコースへの入り口になっている。が、こちらにも行かずすぐ左に折れた突き当たり、もうこの先は山だ。

オーナーシェフはりんくんび(林訓美)さん。りんさんの祖父が大正末期に福建から日本に渡り、父母がそれを頼って横浜で料理店を開き、戦後すぐの1946年りんさんが生まれた。30歳くらいになって料理に目覚めたりんさんは修行をつんだ後、上野不忍池近くに福建料理店「龍虎殿」を開き有名になる。昨2003年3月、この店を息子さんにまかせ、鎌倉二階堂の山懐の一軒家を改造して凜林を開いた。

北の上海料理、南の広東料理にはさまれた位置にある福建料理は新鮮な魚貝にめぐまれ、淡泊で細やかな風味と彩りに特徴があるが、りんさんの料理には代々の福建の伝統に加えて洗練された品がある。
まだ1年半だが、一度訪れここの料理を体験した人の評判は高く、口コミでも拡がる。

円卓を備えた2つの和室とテーブル席の2つの個室がある。
母は脚が悪いのでテーブル席の10畳ほどの個室を使わせてもらう。

料理は晩コースのうち「福」。人参の香の物が福の文字に刻まれて母に供される。
「前菜」は松茸の煮こごり、くらげ酢、蒸し鶏、小海老の塩ゆで。どれも味があっさりしていながら奥深い。聞くと、たとえば小海老もたんに塩ゆでしてあるのではなく、さらに山椒やネギなどのスープに付けたりしているのだそうだ。
食べ終わるまで冷めることのなかった「変わり鳥団子と冬瓜の壺蒸スープ」も実に滋味。
「大海老の甘酢唐辛子炒め」はエリンギなどの茸や各種野菜もたっぷり入っている。
「鴨ロース入り春巻き揚げ」と付け合わせてある野菜の天ぷらがふっくらしながらさくっとして脂ぎらず美味。衣もずいぶんと工夫が入っているだろう(りんさんは店で料理教室もやっているので参加すればこれらの技も教えてくれるだろう)。

瓶入り紹興酒の2本目を頼むと酒器が「対」になった。
それぞれ、「對」「酒」と表に掘られ、背面には「人生幾何」「對酒當歌」とある。

「マナガツオのチリソース煮」には少量だが白飯が付いていて一緒に食べると旨さが引き立つ。
「烏龍茶涼麺ゴマダレかけ」は水の代わりに烏龍茶を練り込んで打ったさっぱりした麺。前菜の蒸し鶏にもかけてあったゴマダレが良く合う。
デザートは「凜林杏仁豆腐」。ミルク味がたっぷり。
もともと胃にもたれないような料理の数々だが、食後の茉莉茶も口喉と胃にさわやかだ。

10 3, 2004 04.私の好きな鎌倉の店・中華・エスニック |

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