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2004年06月17日

老母の入院に思う

頭(精神)は一応しっかりしているのに、病院のベッドで動けない状況というのが、いかに退屈なものかは私にも経験がある。
若ければそれも人生の中の一つのエピソードだろう。
しかし私の母はもうすぐ80歳だ。
今後かなりの入院とリハビリ生活が今現在確実に予測されている。

気・気力が萎えればこのプロセスをいい方向には乗り越えられないし、悪い方向に向かえば「呆ける」だろう。

少なくとも今の「退屈」を放っておくわけにはいかない。
前のカミさんに相談した。
息子(私と前のカミさんとの間の子・現高校3年生)が、以前死の床にあった私の父(息子にとっては祖父)に贈って、死後戻されたラジオがあるので明日持って行く、と言ってくれる。

うん、本もいいけれど、動けない状態での読書は辛いかもしれない。とすると「聴く」ことか。

あとはCDか。CDウォークマンは持っていないので、「価格ドットコム」で見たら、SONYの一番安いのはなんと7,795円。
さっそく購入申し込み。

3年前ガンに倒れた私の親友は、病床で何が欲しいか私たちが尋ねたら「古今亭志ん生」が聴きたいと答えた。
私たちは「志ん生名演集」全41巻をそれぞれ分担して少しずつ購入し、各人それを持ちよって見舞った。
彼はとても嬉しそうに繰り返し聴いていることを私たちに語った。10巻分くらいを聴いた頃から聴くのは無理な病状となり、残念ながら2年前亡くなった。

けれど、私たちが贈った「志ん生」が、彼の最後の日々のなかで、退屈や苦痛や無念の想いや遺される家族への悔恨への癒しとなり、死の直前での人生への達観に、少しでも寄与してくれただろうことを私は(私たちは)疑っていない。

6 17, 2004 23.日々のなかで |

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コメント

先生、こんにちは。
4DCの金杉です。
この記事を読んで、思い出した言葉があります。
先日の特別講演で、泉先生が話されていたことです。
「人は生まれた瞬間から、死に向かって生きている」という言葉です。

私の祖母は、90歳過ぎまで生き「老衰」でした。
そして父は、癌で亡くなりました。
父は入院をするように医師に言われ、その数日後に亡くなりました。
私が「お見舞いに行く」と伝えていた日の朝、職場に父の死の連絡が入りました。

私の父は、入院をするように言われる日の前日まで、美術館巡りをしていました。
私は父には何もしてあげられませんでしたが、最後まで美術館巡りをしていた父の生き方を素晴らしいと思っております。

この記事を読んで、ふと父のことを思い出しました。
肉体は失っても、その人の存在は常に家族や友人達の心に残るものですね。

金杉美由紀 | 2004年06月25日 05:53

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