今朝のおはよう-380 菜の花を
3 20, 2010 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病, 26.今朝のおはよう | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
3 20, 2010 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病, 26.今朝のおはよう | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
褐色のワカメを湯がくと鮮やかな緑色になる。
ワカメをはじめ、アラメ、昆布、ひじき、もずく、天草など海草類をこれだけ食に取り入れているのは世界でも朝鮮半島、中国沿岸の一部、日本列島くらいしかないという。
海草は世界中どこでも採れるだろうに不思議だ。
『新版 娘につたえる私の味』(辰巳浜子・辰巳芳子 / 文藝春秋)では、三月の項に海草を取り上げている。
「ことに三月は、ちょうど野菜の端境期に当るので、特に海草を上手に料理することを考えてみたいと思います。私の小さい時代はひじきと油揚げの煮つけ、切り昆布と肉や、にしんの煮つけ、煮昆布、昆布巻、いかの足入りのうの花、大豆の五目煮のようなものは、おかずの部類に入らない食べもので、いつも何かしら作られ、大きな錦手の丼に山程盛られて、茶の間の戸棚に入っていたものでした。食事ごとに出してはひっこめ、ひっこめては出してちょうど醤油つぎや、ごま塩と同じ位にしか思っていませんでした」
「新わかめ」の献立として「新わかめの酢のもの」「わかめのちょっとあえ」「わかめと貝類のぬた」「わかめ蒸し」「焼きわかめ」。
3 19, 2010 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)

このところの寒さのせいか、治まりかけていた腰椎症も悪化。
横になっていてもじくじく痛み、断続的にしか眠れない。
整形外科で一月ぶりにレントゲン。前に比べると曲がりは治ってきている。
腰に数本注射。右腰に打った一本が猛烈に痛い。
「それでは、もう駄目なやうか?」
相手は答へた。
「もう駄目なやうだ」
少年の頃暗誦していた『山椒魚』の最後の一節(後に井伏鱒二は削除)がふっと浮かび、冗談じゃないよと頭から振り払う。
2 13, 2010 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(3) | トラックバック(0)
モニターに右目角膜の画像が大きく表示される。
ちょっと宇宙の一部のような緑の画面のなかで白っぽい傷が銀河のようにつながっている。
今日から日曜まで多摩美上野毛デザイン展(卒業制作展)なのだが、眼帯をした片目でしばらく歩くと気分が悪くなり、どうにも行くのは無理であきらめる。
帰宅して、子規の苦しみに比べたらなんてことないさ、と岩波文庫の感触だけ確かめる。
2 12, 2010 11.教育と学びのデザイン, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
メタボだなんだ健康に気を付けなくっちゃ、などと一億総強迫観念に陥っているうちに、かつて「成人病」と呼ばれていたものは、いかにも個人の自己責任の生活態度のせいだというような「生活習慣病」と名を変えられ、この国はいつの間にかナチスばりの「健康ファッショ帝国」になった。
なにしろ今では「健康は国民の義務」などという憲法違反の法律(「健康増進法」)がまかり通っている。
たばこ増税も「国民の健康増進のため」になされる。
ざけんじゃないよ、
公共福祉としての医療費の削減のため、取りやすい所から取るという志の低さは見え見えではないか。
国家が個人の「健康」だのに干渉、管理しようとするときにろくなことはない。
そもそもヒトは誰でもなんらかの「病」とともに生きている存在だ。
「健康」と「病」を法律で判別しうるような境界などない。
参考:
『健康帝国ナチス』(ロバート・N・プロクター / 宮崎尊訳 / 草思社)
『タバコの歴史』(上野堅實 / 大修館書店)
『麻薬の文化史―女神の贈り物』(D.C.A.ヒルマン / 森夏樹訳 / 青土社)
『現代たばこ戦争』(伊佐山芳郎 / 岩波新書)
『健康不安社会を生きる』(飯島裕一・編著 / 岩波新書)
『禁煙ファシズムと戦う』(小谷野敦・編 / ベスト新書)
12 13, 2009 15.社会・政治・思想・歴史そして世界へ, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
7月初旬以来の目患いはまだ続いている。もう2ヶ月半か。
痛みはほとんど出ないが、視力が安定しない。
長時間の読書、とくに細かい活字のもの、コンピュータディルプレーを見続けたりしないことなどは眼科医から「当たり前です」という感じで警告されている。
読みたい本が山積みになっているのにせいぜい装幀を撫でて愛で、パラパラとしか見られないのは辛い。
で、ちょっと気になって買っておいた『お探しの本は』(門井慶喜・光文社)を昨夜手に取って、図書館のレファレンス・コーナーに勤務する図書館員が「シンリン太郎について調べたいんですが」(もちろん森 林太郎=鷗外の本名)などと言ってくる女子短大生などを相手にしながら「探書ミステリー」の世界に入っていくさまがとてもおもしろく、思わず一気読みしてしまった。
本文活字も文庫本より大きい13Q相当、290ページほどで2時間半ほどで読了したと思うが…
もっと途中で休みを入れればよかった…
で…
今朝起きてみると、確実に左目の視力が下がり、さまざまな神経・思考系に苦しい影響が出るガチャ目状態。
9 23, 2009 14.読書三昧, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
もう一ヶ月以上になるが、まだ日によって眼が痛み、視力も不安定な状態が続く。
今日の調子はどうかと朝起きるときが不安。
読書、パソコン用の眼鏡が合わなくなり、裸眼も左右の視力が違ってしまっていて疲れるので、眼医者の処方で新しく眼鏡を作った。これも視力が一定したらレンズを交換しなくてはならないだろう。
これで眼鏡が3つ、一眼レフの交換レンズじゃあるまいし…。
外出のときはこれまでのもの。
今までの読書用は約60cmくらいから20mくらいの近距離、室内や庭でなど。
新調したものは25cmから40cmくらいの間にしかピントが合わない。カメラのレンズでいえば被写界深度が極端に浅い。
考えてみるとヒトの眼というのは望遠からマクロまで本来自在なんだなあ。
無意識のうちで、掛けているのにさらに別の眼鏡を掛けようとしたり、掛けていないのに外そうとしたり、と笑えない状況。
8 19, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
白老(しらおい)は良質な温泉でも有名で、私の泊まっているところも、岩風呂、大風呂、露天風呂、家族風呂などがあって、入浴だけの客も多い。
ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉という性質の天然温泉で、かなり茶色く、初めて湯と湯船を見るとちょっと引いてしまうが、入った後は肌の感じがいい。
で、インフォメーションセンターでもらった「白老・虎杖浜温泉プチ湯治のススメ」というパンフレットの「効果的な温泉入浴方法のススメ」というのを読んで、この歳になるまで、あまり温泉の正しい入り方というのを学んでこなかったんだな、とちょっと驚いた(家での入浴でも同じことなのだろう)。
札幌国際大学観光学部の松田忠徳「温泉学」教授の指導によるとある。
以下、他にもいろいろあるのだが簡単にまとめるとー
1. 入浴前に水分を補給する。
ふむ、なるべく常温か暖かいものがおすすめ。
2. 浴槽に入る前に「かけ湯」をする。
身体の汚れを落としてから、ということだけではなく、身体に湯をなじませるため。だから、まず足元から、だんだん心臓に近い方へ。
3. 湯に入ったら心安らかに。
江戸時代の医者・香川修徳は「こころ安らかに気を和らげ、真に稚児の水戯をなすが如く」といっているそうだ。
たしかに、湯に入って心配事に頭が集中していたりしたら、アルキメデスではない普通の人は心身ばらばらになるだろう。
4. 長湯より短く何回かに分けて。
その方が身体への負担は少ないそう。
5. 出たら自然に汗が出切るまで休む。
かるく拭いてからは、扇風機やクーラーの風を直接あてたりして急に身体を冷やすのではなく、汗が自然に引くまで10〜20分ほど休む。
6. すぐに冷たいものを飲まない。
入浴によって暖まり体温が上がった状態で、内臓から急激に冷やすのはよくない、とある。体温が安定する最低30分は待つこと。喉が渇いている場合は、常温か暖かいものを。
ん?、部屋に戻ってすぐ冷たいビール(北海道限定サッポロクラシック)を飲んでいるところだぞ。
8 8, 2009 19.食と農、健康と病, 22.旅先で | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
キュウリにかわりがあるでなし、食べてしまえばみな同じ…。
が、日本人には独自の「美意識」がある?
野菜はみな同じ大きさ、色合いで揃っていなくてはならない?
中国やアジアで日本の野菜バイヤーは嫌われている。
買い入れ価格は高いのだが、大きさや色合いを揃えたりするのにコストがかかりすぎるのだ。
『なにを食べたらいいの?』(安部司 / 新潮社)よりー
中国の富裕層は、日本の無農薬野菜への要望が大きい。かなり割高でも購入する。
日本のスーパーで見つけた3本入りニンジンパックに眼をつけた人が、きれいで色も形も揃っているから中国で絶対に売れそうだ、とこっそり中国に持ち込み、顧客である富裕層の人たちに見せた。
ところが彼はその返事に愕然とする。
「きれいすぎる。どれだけ農薬と化学肥料を使えばこんなに色も形も重さも揃うのだろうか。いくら日本産でも不気味だから要らない」
8 3, 2009 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病, 26.今朝のおはよう | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
画:沢野ひとし / 椎名誠『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』より
活字を読む環境から切り離された「活字中毒者」の姿は、椎名誠の小説『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』に活写されている。
一ヶ月活字の無い状況に閉じ込められた男は、蔵の窓に示された紙に書かれた「ま」の字(続いて「ぬ」「け」となるのだが)を見て、「じら、じら、あふれ、じらじら、じがでら、じがでら」とよろよろと立ち上がり、スーパーのチラシをこまかくちぎってばらまかれた「サラダ油カ」「ベーコ」「ろさしみ一舟」「マネギいちわ」の小片にとびついて狂喜乱舞する。
このモデルの目黒考二(北上次郎)には比べるべくもないが、同じく活字中毒者である私も、読みたい本が山積みになっているのに、目の患いのため読むことがままならないのが本当に辛い。
微蔓性点状表層角膜症という角膜表面の微細な細胞の剥落(キズ)は治ってきたのだが、角膜変性という症状は残っており、なにより、日々左右の視力が一定せず朝起きるのがこわい。
もともと左右の視力が少し異なり、眼鏡レンズの度もそれに合わせてある。ところが、日によって(というか一日の中でも)左右の視力が変わってしまう。しかも遠くと近くがまた違う。
眼鏡レンズの度と逆転することはしばしば。
そうすると焦点がなかなかあわず、しばらく活字を読んでいると、視神経からの伝達自体はできても伝達内容バランスがおかしいから、灰色の脳細胞はかんしゃくをおこし、やってらんねぇと頭痛を引き起こし、視神経の方は、私のせいじゃないわよとふてくされる。
読みたいが積んである小熊英二『若者たちの叛乱とその背景 1968(上)』(1092ページ)を料理用秤に載せてみる。
1427g。
なにやってんだか。
7 24, 2009 14.読書三昧, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
眼底とは眼球の後ろ側をさす言葉で、硝子体(しょうしたい)・網膜(もうまく)・脈絡膜(みゃくらくまく)・視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)といったものの総称。
網膜は人の体の中で唯一血管が直接観察できる場所であるという。
そのため眼底検査では目だけではなく、動脈硬化の程度や高血圧・糖尿病に伴う血管異常の有無などの判定にも使われるそう。
検査結果、両目とも異常なし。
先日私がモニターに映された角膜写真を撮影していたのを覚えているから、女医さんは検査の後、後でプリントをさしあげますよと笑いながらいう。
で、これは右目の眼底写真のプリントから。
自分の目の血管や視神経を初めてじっくりみて、そうか、これらが私の視覚認識を支えてきてくれているのか、となにか厳粛な気持ちになる。
7 18, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
今朝も起きると右目に異物感と痛み。
右目の写真画像。
こんなに巨大に自分の目を見たのは初めて。
白っぽく拡がる細かい粒のようなものが、角膜表層のキズ。
これらを通してものを見ているから、スリガラス越しのように見え視力も落ちる。
左右の視力、見え方がかなり異なるので平衡感覚がおかしくなり、まっすぐ歩いているつもりでも、端からはふらふらしているように見えるだろう。距離感があいまいになり階段の足元はこわい。
左目はほぼ回復してきたので、そう心配はしていないが、脳神経細胞グループに加えて頸肩筋肉細胞グループも怒り始め、「責任はどうなってる?両院議員総会だぁ」と騒いでいる。
仕事、授業等をすべてキャンセル。
ひたすら治癒力に頼るのみ。
7 16, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
今朝起きると世界がまた変わって見えた。
左目は少し回復してきているのだが、今度は右目がゴロゴロし、視力が圧倒的に落ちている。
眼科の優しい女医さんが、スリット顕微鏡を覗きながら「傷だらけですね」とおそろしいことを言う。
細菌性ではなく、糞をしたあとのMicが後足でけった砂粒が入ったわけでも、寝ている間にPartnerがひそかに引っ掻いたというようなものでもなく、基本的には眼の乾燥(ドライ・アイ)がおそらく原因。
ふつうヒトは1分間に20〜30回まばたきして、目の表面に涙を送り込み保護している。
ところがコンピュータ画面や本のちいさな文字に集中しているときはその1/4くらいになってしまう。長時間その状態を続けると、表面の保護層が機能しなくなり角膜の損傷につながる。
「こういう症状はなんと呼ばれるのですか?」
「ビマンセイテンジョウヒョウソウカクマクショウです」
「は?」
「微蔓性点状表層角膜症」。
「な、なおりますかね?」とかつての菅野美穂のCM風に青ざめる。
「まあ、一週間か二週間様子を見ないと」。
ふぅ。
スリガラスを通して街をみるような感じで、なんとか大学に行き、セッションもあと一週間になった授業のプレ・プレゼン。
こう日替わりで左右の視覚情報精度が入れ替わるブレようじゃやってられん、と脳神経細胞がストや叛乱をおこしたり、リセットだぁ、解散だぁ、などということになると困る。
7 15, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
三、四日ほど前から左目から涙が出て止まらず、痛みやゴロゴロ感もないのだが、右目に比べて視力が極端に低下している。
眼科医で調べてもらうと左目の黒目にキズがあり、そのせいだろうと言われる。
痛みの無さや充血の少なさから細菌性のヘルペスではたぶんない。
治療用の目薬をさし続けている。
当然今している眼鏡も左の度が合わなくなっている状況。
そういう状況で道を歩いているとなにか平衡感覚状態がおかしい。
ホームの端などは歩かない方がいい。
そしてなにより困るのが、左右バランスの狂った眼で、コンピュータのモニター画面の文字や新聞雑誌、書籍、書類等に接していると鈍い頭痛が激しくなること。
どうなってるんだ、このいいかげんな視覚情報インプットはよと、よけいな認知補正プロセスの発動に追われている脳神経細胞が怒っているようでもある。
午後には吐き気も出てきたので、授業はアシスタントにまかせて静養。
写真はiPhoneのアプリ「視力測定」。
検査結果表示はかなりアバウトで今のところ信用できない。
7 13, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
6 14, 2009 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病, 26.今朝のおはよう | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
私とPartnerが毎朝番茶に梅干しを入れて飲んでいるのを見て、老母が梅干しを買ってきた。
紀州梅の大粒で、見た目、ふっくら、しっとりし、「あっさり風味」にふさわしく色合いも自然(に見える)。「うす塩味」「塩分約7%」とあって、高血圧の老母も身体にいいにちがいない、私たちにもと思って買ったのだろう。
しかしこれはたしかに梅は使っているが、梅、塩、シソで造る梅干しではない。
20〜30年ほど前から、塩分の摂り過ぎが高血圧などの原因になるとしきりにいわれるようになった。よくやり玉にあげられたのが日本食の伝統的な漬物(梅干しを含む)。
何度も紹介している『みんな大好きな食品添加物 食品の裏側』『なにを食べたらいいの?』の安部司さんは当時添加物商社に勤めており、「低塩」で一儲けできないかと思い立ち、最初に考えたのが「低塩梅干し」だった。
昔からの梅干しには梅の重量の10〜15%の塩を使う。
塩は、味付け、保存(防カビ)、色落ち防止、食感の維持という役を果たし、日本の食の長い歴史のなかで、これだけの分量が必要と経験的に受け継がれてきた。
もし塩を減らすとなれば、これらの役割を補うものと技術が必要になる。
こうして、味付けは「化学調味料」、保存には「pH調整剤」「アルコール」、色落ち防止には「酸化防止剤」、酸味は「酸味料」、しょっぱさを緩和するために「甘味料」が加えられる。
食べる人の舌を「塩分が半減している」と錯覚させるのだ。
ここで開発された技術は梅干しだけでなく「低塩漬物」に応用され、今スーパーやコンビニで売られている「漬物」は、ほとんど「添加物液のプール」で造られるようになってしまった。
自分で漬ければいいだろうと「浅漬けの素」などを買ってきても、これも添加物を溶かし込んだ代物。
浅漬けに必要なのは、単に塩とせいぜい細切り昆布。
自分で開発しておいてよく言うよという感もあるが、人からもらった塩分5%の「梅干し」を食べて「"添加物の味きき” をいやが上にもしてしまう私にとって、それはもう梅干しではありませんでした。”梅風味の添加物” あるいは ”梅干しの形をした添加物” にしか思えない」(『食品の裏側』)。
裏のラベルの「名称」には「調味梅干」とある。
こんなものに「紀州梅の会」とかいうところが「特選」とお墨付きを与え、喜んで買う消費者が多いのが哀しい現実。
紀州梅が泣くよ。
6 6, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
塩分、脂質(油分)と並ぶ摂り過ぎ3兄弟のひとりは「糖分」
食品総合商社に勤め、かつて「食品添加物の神様」と呼ばれた安部司さんは、十数年前からあちこちの幼稚園や保育園で講演をしている。
三十年間、五歳児を見続けてきているある園長先生は、子どもたちの糖分の摂り過ぎとその弊害にほんとうに危機感を抱いている。
講演といっても、子ども相手だから、実演が中心で、『みんな大好きな食品添加物 食品の裏側』(東洋経済新報社)『なにを食べたらいいの?』(新潮社)より糖分のところを簡単にまとめるとこんな具合 ー
「これから先生がレモンジュースをつくってみせます」と、水の入ったコップを見せる。果物としてのレモンなどはむろん無い。
「まずこれを水に溶かします。きれいなレモン色だね」
石油から製造する「黄色4号」という合成着色料。「青色1号」を混ぜればメロンのグリーン。
「このままじゃただの黄色い水だから、すっぱい味をつけようね。レモン10個分のビタミンCも入れるよ」
クエン酸、アスコルビン酸(別名ビタミンC)などは中国で安価に製造輸入される。複数のものを入れたので「原材料表示」では、「酸味料」という「グループ表示」でいいことになり、どんな種類の添加物がどのくらい入っているかはもう分からない。
「みんな甘いほうがいいよね」
飲料メーカーは甘みを出すために割高な砂糖などは使わない。アメリカから輸入したトウモロコシ(もちろん遺伝子組み換えが圧倒的)のでんぷんを原料にして、ブドウ糖液と、さらにそのブドウ糖液から砂糖の1.4倍ほど甘みを持つ果糖液を作り、配合させて「ブドウ糖果糖液糖」(果糖が多い場合は「果糖ブドウ糖液糖」)という甘さの強いシロップにする。
「レモンの香りも付けなくっちゃね」
香料には合成香料原料として約90種、天然から抽出された香料612種があり、これらの配合によって「できない香りは無い」。
「食物繊維も入れよう。レタス何個分なんていってるのもあるね」
粉末セルロースを入れて、本物の果物ジュースらしい濁りを作る。
「この粉はおがくずから作るんだよ」「え〜っ」
スプーン1杯だけ子どもに飲ませてやる。「おいし〜い」
サボテンにつくカイガラ虫から作る「天然」着色料でオレンジジュースの色が作られるのを見て尻込みする子もいる。
「今先生が作ったものはこれと同じなんだよ」と大手飲料会社のジュースや清涼飲料水を見せる。
「みんな飲んでる?」「うん大好き!」
別個に今作ったもので使ったのと同じ量の「ブドウ糖果糖液糖」だけを溶かしたシロップ水を飲んでもらう。
「うぇ〜、甘くて飲めないよ」
甘くて飲めない。なぜ?
糖分が多いから。
500ccの清涼飲料水にはどのくらいの糖分が含まれているのか。
「エネルギー表示」の「炭水化物」の量が砂糖(糖分)の目安。
ここでは12gとなっているので、1本に60g。
60gの砂糖は計量カップ約半分。ジャムでも大量に作らないかぎりふだん料理では使わないし、いくらコーヒーや紅茶に入れても飲むことなどできないほどの分量。
ある中学生は毎日2リットルボトルの清涼飲料水を買って一晩かけて飲むと言う。
この子は毎日カップ2杯の砂糖を摂っていることになる。
本来甘くて飲めないというのは、糖分を急激に体内に入れない人間の身体の防衛本能。
酸味料、香料などの添加物によって、このように不自然に大量に糖分をとり続ける子どもたち…。
過去記事:
大さじ3杯分の「かくれ油」ー「摂り過ぎ三兄弟」-2 脂質(09/05/22)
海水をコップ2杯飲めますか?ー「摂り過ぎ三兄弟」-1 塩分(09/05/21)
カテゴリー19「食と農、健康と病」(180記事)
5 28, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
『なにを食べたらいいの?』(安部司 / 新潮社)より
食べ盛りの若い人が大好きなコンビニで売っているデカサイズ焼きそば。
「手首くるり」で「原材料表示」と「栄養成分表」を見る。
ここでは「摂り過ぎ三兄弟」のうち、塩分に続いて「脂質」。
「肥満」「メタボリックシンドローム」の最大の要因が、カロリーと脂質の摂り過ぎ。
アメリカ人の過半がそうだ。日本人はその後を追っている。
小学生が質問する。
「カップ麺は3分で戻るけれど、ソーメンはなぜ戻らないの?」
まっとうな疑問だ。なぜこんな安いんだろう? なぜこんなに早くできるんだろう? なぜこんなにきれいで揃っているのだろう?
素朴な疑問を抱かず、知ろうとしないところから無知と精神の堕落と、食生活とひいては食べることで維持している身体の崩壊が始まる。
ソーメンもカップ麺も「保存食」。そのため腐らないよう水分を飛ばす。
しかし飛ばし方が違う。
季節になると、生のままソーメンを干す風景がニュースに流れたりする。もちろん手間暇はかかる。しかしカビも生えず食感も大事にする昔からの知恵だ。
カップ麺(ラーメンでもそばでも焼きそばでも)はまったく違う。
さまざまな味付けをした麺をゆでたり蒸したりし、低温で「てんぷら」にする。つまり「油揚げ」で水分を飛ばす。
だから湯を注げばすぐに「ふやける」。「煮えている」わけでも「戻って」いるわけでもない。
原材料名には「味付油揚げめん」。
で、このデカサイズ焼きそば栄養成分表の「脂質」は46.5g。
これはどういう分量なのだろうか。
サラダ油は計量スプーンの大で14gなので、3杯以上にあたる。
1gの油は約9キロカロリーになる。
ということは、この焼きそばの脂質だけで、9 x 46.5 =418.5 キロカロリー!
脂質の摂り過ぎを懸念して国が指針としているのは、油から摂るカロリーを全摂取カロリーの20%から25%におさえるというもの。
一日2200キロカロリーだと油は約50g。2500でも約55g。
この焼きそばだけでカロリーが1117kcalという高カロリーかつ脂質はもうほぼ一日分。
脂身たっぷりの肉とかバターやマヨネーズ、ポテトフライなどはいかにも脂質が多いように見えやすい。
しかし「油分は控えています」などという人が気づかない「かくれ油」を、加工食品に囲まれた私たちは毎日摂る生活を続けている。
5 22, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
『なにを食べたらいいの?』(安部司 / 新潮社)より
食品総合商社を辞めた安部司さんは、これまでの食品に関する知識と経験を生かして、より安全で健康的な食の知識を広めるエバンジェリストになる(年に150回はあちこちで講演するという)。
親を含めた保育園や小学校、中学校などでの安部さんの講演、というかプレゼンテーションは、実物に即して実に説得力があり、私が今教えるのに苦労している、「いかに知らないか、ということをどう気づかせ、関心を持たせ、伝え、そこから先拡げるか」ということに通底する。
たとえば安部さんが「とりすぎ三兄弟」と呼ぶ「塩分」「糖分」「油分」の三つのうちのまずは「塩分」。
「塩分」はヒトの生存にとって不可欠なものだが、摂り過ぎると、心筋梗塞や脳卒中につながることがかなりデータ化されている。
日本の厚労省は、一日、成人男性で10g、女性で8g以下を推奨指針としている。
WHO(世界保健機構)は、さらに少なく一日6gにしようと推進している。
で、安部さんは、中学生に持ってきてもらった、彼らがいつも食べている(しかも間食として)カップ麺(デカサイズ)の原材料表示と栄養成分表の例を示す。
食品を買うとき、まずは「手首をくるり」。
表示には、いろいろな抜け道があるが、選ぶ上でのヒントがたくさん書いてある。
ものすごい数の原材料名が表記されているが、ここでは、塩分。
麺自体に食塩が使われており、さらにスープにも含まれている。
「デカサイズ」カップ麺をひとつ食べるといったいどれだけの塩分を摂ることになるか?
栄養成分表(カロリー表)に「ナトリウム 4.6g」とある。
このナトリウム量に2.5をかけると食塩に換算したおおよその量になる。ここでは 11.5g。
安部さんは、食塩を大さじ一杯弱(約10g)、つまりカップ麺に含まれる量とほぼ同じ、を見せる。
え、こんなものですか。
カップにその塩を入れ「好きなだけ水を入れて飲んでみてください」。
2〜300cc水を入れれば塩は溶ける。
わっ、しょっぱい。
海水360cc(2合)、コップ2杯分に含まれる塩分が約10g。
これだけの塩濃度の水は、うがいにも塩辛すぎ、まして飲むことはできない。
しかしカップ麺ではこれと同じ分量を平気で「おいしい」と感じながら摂取してしまう。
なぜそんなことができるのか、安部さんは言う。
添加物をベースにした、濃い味に変化させているから。
グルタミン酸ナトリウムに代表される化学調味料をいろいろ加え、タンパク加水分解物でコクをつけ、豚やチキンのエキス類を加え、さらに香辛料で刺激的な味にする。
こうして味覚麻痺が進む。
味覚麻痺などそれぞれ勝手にすればいいというかもしれない。
しかし、「間食」のカップ麺一杯だけで、指針とされる一日の塩分量を超える摂取をするような食生活が、とくに子供たちにとって、かつての「成人病」、今でいう「生活習慣病」へのまっしぐらの道であることは明らか。
5 21, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
『なにを食べたらいいの?』(安部司 / 新潮社)
安部司さんは、食品総合商社に勤め、添加物と加工食品開発の仕事に携わっていた。
こんな添加物を使えば売れますよ、という「添加物アドバイザー」であり、日本向けに海外で食品を作らせる「開発輸入」にも関わった。
あらゆる食材を、添加物を使って、「安く(単価を下げる)」「簡単に(調理の面倒を減らす)」「便利に(保存性といつでもすぐに入手できる利便性)」「美しく(見た目)」「おいしく(濃厚な味を作る)」するプロであり、業界では「食品添加物の神様」とまで呼ばれた人だ。
従事していた頃認可されていた一千種類以上の添加物を駆使して、あらゆるものを「おいしく」「美しい」食品に変身させる、いわば「魔法使い」。
仕事が楽しくてしかたなく、自分は食品業界の救世主じゃないかとまで思う。
しかし、3歳になった愛する娘の誕生日、妻が用意した食卓に、自分が「開発」した肉団子が並び、娘がおいしそうに食べる姿を目にして呆然とする。
自分が開発したのだから、どのようなものかは熟知している。
ペットフードにしか使えないような低級のクズ肉を添加物まみれで「おいしく」感じさせるまがいものを娘がうれしそうに食べている。
彼の内面から多分うめきのような痛恨の叫びがわき上がって来る。
娘よ、食べるな!
こんな得体の知れないものを食べ続けたらお前の小さな身体に負担がかからないわけがない。
そんなモノをおいしいと思ってはいけない。
翌日、安部さんは会社に辞表を提出する。
5 20, 2009 14.読書三昧, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
今やっている新入生向けの「イメージと文字」授業は、画像イメージと文字でポスターをデザイン制作させるのだが、共通のテーマを「食」としている。
「食」は誰でも毎日向き合っている。しかし、知ろう、考えようとしなければ、ただ手近なもので腹を満たす行為にしかならない。
映画『いのちの食べかた(OUR DAILY BREAD)』や『ファーストフード・ネイション(FIRST FOOD NATION)』を観せ、考えるきっかけを与え、テーマを決めさせる。
ネットで調べただけでは駄目、自分が取り組もうとするテーマに関わる本を最低1冊は読むよう言ってある。で、この間私が読んできている「食」に関わる本を学生たちにもいくつか紹介する。
分類はあくまで便宜的なもので、すべてさまざまに連関しあっている。
以下参考 ー
◎食と生命 ーなぜ食べるのか、なにを食べるのか、「生きる」ということと「食」
『生命と食』(福岡伸一/岩波ブックレット)
『食の位置づけ~そのはじまり』(辰巳芳子/東京書籍)
『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』(福岡伸一/木楽舎)
『食べものはみんな生きていた』(山下惣一/講談社)
『死を食べる ー動物の目で環境を見る』(宮崎学/偕成社)
DVD『いのちの食べかた(OUR DAILY BREAD)』
◎食の世界になにが起きているのか
『食大乱の時代 ー”貧しさ”の連鎖の中の食』(大野和興・西沢江美子/七つ森書館)
『食がわかれば世界経済がわかる』(榊原英資/文春文庫)
『食料植民地ニッポン ー日本は米中に「胃袋」まで占領されてしまった』(青沼陽一郎/小学館)
『フードクライシス ー食が危ない』(金丸弘美/Discover)
『飽食の海 ー世界からSUSHIが消える日』(チャールズ・クローバー/岩波書店)
『水の未来 ー世界の川が干上がるとき あるいは人類最大の環境問題』(フレッド・ピアス/日経BP社)
『水戦争 ー水資源争奪の最終戦争が始まった』(柴田明夫/角川SSC新書)
◎食の歴史・文化史
『世界地図から食の歴史を読む方法』(辻原康夫/KAWADE夢新書)
『食の世界地図』(21世紀研究会編/文春新書)
『「食」の課外授業』(西江雅之 /平凡社新書)
『日本の味と世界の味』(小泉武夫/岩波現代文庫)
『非差別の食卓』(上原善広/新潮新書)
◎野菜の文化史
『世界を変えた野菜読本 ートマト ジャガイモ トウモロコシ トウガラシ』(シルヴィア・ジョンソン/晶文社)
『アジア菜食紀行』(森枝卓士/講談社現代新書)
『ジャガイモのきた道 ー文明・飢饉・戦争』(山本紀夫/岩波新書)
『ジャガイモの世界史 ー歴史を動かした”貧者のパン”』(伊藤章治/中公新書)
◎日本の農と食、「フードマイレージ」「地産地消」
『農から見た日本 ーある農民作家の遺書』(山下惣一/清流出版)
『フードマイレージ ーあなたの食が世界を変える』(中田哲也/日本評論社)
『コンビニ弁当16万キロの旅 ー食べものが世界を変えている』(コンビニ弁当探偵団/太郎次郎社エディタス)
『地域の力 ー食・農・まちづくり』(大江正章/岩波新書)
『いのちをはぐくむ農と食』(小泉武夫/岩波ジュニア新書)
『サカナと日本人』(山内景樹/ちくま新書)
『パーマカルチャーしよう! ー愉しく心地よい暮らしのつくり方』(安曇野パーマカルチャー塾 編/自然食通信社)
『ピースフード 安曇野の大地からのレシピ ーマクロビオティックでいこう!』(シャロムヒュッテ 編/家の光協会)
◎日本の食、食文化とその変貌
『ニッポンの食卓』(石毛 直道/平凡社)
『あなたのために いのちを支えるスープ』(辰巳芳子/文化出版局)
『娘につたえる私の味』(辰巳浜子・辰巳芳子/文藝春秋社)
『和食と日本文化 ー日本料理の社会史』(原田信男/小学館)
『戦下のレシピ ー太平洋戦争下の食を知る』(斎藤美奈子/岩波アクティブ新書)
『冷蔵庫で食品を腐らす日本人 ー日本の食文化激変の50年史』(魚柄仁之助/朝日新書)
『サカナと日本人』(山内景樹/ちくま新書)
『食卓文明論 ーチャブ台はどこへ消えた?』(石毛直道/中公叢書)
『本多勝一のこんなものを食べてきた!』(本多勝一・堀田あきお&佳代/朝日新聞社)
『いとしいたべもの』(森下典子/世界文化社)
『食と日本人の知恵』(小泉武夫/岩波現代新書)
『食生活が人生を変える』(東城百合子/三笠書房・知的生きかた文庫)
◎安ければいいのか
『安ければそれでいいのか!?』(山下惣一編著/コモンズ)
『儲かれば、それでいいのか ーグローバリズムの本質と地域の力』(本山美彦他/コモンズ)
『セブンイレブンの正体』(古川琢也+週刊金曜日取材班/金曜日)
DVD『おいしいコーヒーの真実 ートールサイズのコーヒー1杯330円、コーヒー農家が手にする金額、約3円 あなたが飲む1杯のコーヒーから世界のしくみが見えてくる』
DVD『ファーストフード・ネイション』
◎屠畜をめぐって
『いのちの食べかた』(森達也/理論社・よりみちパン!セ)
『ドキュメント賭場』(鎌田慧/岩波新書)
『賭場文化 ー語られなかった世界』(桜井厚・岸衞編/創土社)
『世界屠畜紀行 ー屠畜場イラストルポ』(内澤旬子/解放出版社)
『もう牛を食べても安心か』(福岡伸一/文春新書)
5 7, 2009 11.教育と学びのデザイン, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
今回の豚インフルエンザは、ヒトからヒトへ感染することが確認され、WHO新型インフルエンザ流行段階区分で、流行危険期「フェイズ4」になった。
ウイルスとはなにか、福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)から要約ー
科学者に限らず、普通の人々も、細胞や病原体というものは、なにか柔らかくウエットで、とりとめもない形をし、ひとつひとつが微妙に異なり、何かを摂り込んだり出したり、分裂して増殖したりするものとしてイメージしている。
しかし電子顕微鏡で捉えられたウイルスの像はこうしたものとはまったく違っていた。
「それはちょうどエッシャーの描く造形のように、優れて幾何学的な美しさをもっていた。あるものは正二十面体の如き多角立方体、あるものは繭状のユニットがらせん状に積み重なった構造体、またあるものは無人火星探査機のようなメカニカルな構成。そして同じ種類のウイルスはまったく同じ形をしていた」。
ウイルスは、栄養を摂取することはない。呼吸もしないし、老廃物を出すこともない。つまり生命の根幹であるはずの代謝活動をいっさいしない。
精製、濃縮すると「結晶」化さえする、鉱物と同じ「物質」なのだ。
しかしウイルスは単なる物質と異なる唯一かつ最大の特性を持っている。
ウイルスは自己複製能力を有しているのだ。この能力は核酸(DNAもしくはRNAのどちらか)という分子の力による。
自己を複製するといってもウイルスは単独では何もできない。
他の細胞に寄生することを通じてのみ複製できる。
ウイルスの複製の過程は、まるでハリウッドのエイリアン来襲パニック映画のようだ。
感染者の咳やくしゃみ、手で触って付着するなど、なんらかのプロセスで寄生体、たとえばヒトの気管支、咽喉、鼻粘膜などの細胞の表面に付着したウイルスは、それまでのメカニカルな鉱物的様相を替え、細胞の内部に向かって自身のDNAを注入する。
「そのDNAには、ウイルスを構築するのに必要な情報が書き込まれている。宿主細胞は何も知らず、その外来DNAを自分の一部だと勘違いして複製を行なう一方、DNA情報をもとにせっせとウイルスの部材を作り出す。細胞内でそれらが再構成されて次々とウイルスが生産される」。
やがて(潜伏期間を経て)……
細胞内で増殖したウイルスは、細胞膜を破壊してなだれをうって外へ飛び出し別の細胞に取り付く……
写真はA型インフルエンザウイルスの電子顕微鏡画像(Wikipediaより)
4 28, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
豚インフルエンザ患者の発生マップ niman(Biomedical Research、Pittsburgh)がGoogleMapを使って作成
鳥を遠源として豚にうつり、豚からヒトへ、そしてヒトからヒトへ感染するようになった「豚インフルエンザ」が世界的な大流行(パンデミック)になる危険を強めている。
これはウイルスの一種が原因となる。
ウイルスとはなんなのだろうか、その発見史を福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)から要約ー
19世紀、タバコモザイク病と呼ばれる病害が各地のタバコ栽培農家を襲った。
タバコの葉に黒いモザイク状の斑点ができ、商品にならなくなる。
この病気にかかった葉をすりつぶして健康な葉に塗ると、やがてその葉にもモザイク病が発生した。
ということは、病気を伝染する何らかの病原体が存在するはずだ。
しかし当時の光学顕微鏡でいくら調べても、赤痢菌や大腸菌に類するような微生物はまったく発見できなかった。
1890年代、ロシアの科学者ディミトリ・イワノフスキーは、この病原体の大きさを調べてみようと思い立つ。
彼が使ったのは素焼きの陶板。つまり植木鉢のかけらのようなもの。陶板には編目状に微小な穴が入り組んだ形で無数にあいている。だから日常経験的にわかるように、水をたらすと、水はこの細かい穴に滲み通り、やがて反対側に滲み出てくる。
大腸菌や赤痢菌のような単細胞微生物のサイズは、どんなに小さくても直径1〜数マイクロメートル(1マイクロメートルは1/1000ミリ)。素焼きの陶板の穴はこの1/5から1/10以下でずっと小さいし、しかも複雑に入り組んでいる。
それまで発見されていたような単細胞微生物(病原体)がくぐりぬけることは絶対に不可能なはず。
イワノフスキーはタバコモザイク病にかかった葉の抽出液を陶板で濾過してみた。
反対側から滲み出てきた液には病原体は存在しえないともちろん予測している。
ところが、信じがたいことに、滲み出てきた病原体を濾過したに違いないと予想した液を塗った葉はモザイク病を発症したのだ。
つまり、単細胞微生物の十分の一以下の、当時の光学顕微鏡ではとても見ることのできないような極小の病原体が世界には存在しているということの証明だった。
オランダのマルティヌス・ベイエリンクもタバコモザイク病を研究し、細菌とは異なる微小な感染粒子の存在を提言した。
ウイルスの発見だった。
ウイルスは単細胞生物よりずっと小さい。
どのくらい小さいかというと、大腸菌をラグビーボールとすれば、ウイルスはピンポン球かパチンコ玉程度。
ウイルスを「見る」ことができるようになったのは、光学式顕微鏡より10倍から100倍の倍率を実現した電子顕微鏡が開発された1930年代を待たねばならない。
関連過去記事:
強毒性新型インフルエンザの脅威『H5N1』(岡田晴恵)
4 28, 2009 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
料理家であり随筆家である辰巳芳子さんは、ずっと「人はなぜ食さねばならぬのか」を考え続けてきた。
そして、食するということは「呼吸と等しく生命の仕組みに組み込まれている」と考えるようになる。
しかしそれ以上の「生命の仕組み」については「一歩も迫ることは不可能」だった。
辰巳さんは、食に携わりながら、その根源について何にもわかっていない、と自戒する。
BSEやアメリカからの牛肉輸入問題のなかで、分子生物学者、福岡伸一さんが著した『もう牛を食べても安心か』(2004/文春新書)の 「私たちはなぜ食べ続けるのか」で述べられているルドルフ・シェーンハイマーが1937年に打ち出した「身体の動的平衡」という学説とそれを継承発展させた解説を読んだときのことを辰巳さんは「この解明に出あったときの感動は、人は年齢を超えて、高揚する実感であった」と記している。
「自戒は大切にした。大切にしていないと答えを見逃すから」という「積年の緊張」でもあったこころの姿勢が、必然的にこの深い出会いにつながったのだろう。
この書の中の「食べることは、他のいのちとつながること〜福岡伸一先生との対談から〜」の章は、「食」と「いのち」と「世界」の関係についてのもっとも平明かつ美しく感動的な解き明かし。
この間、『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)『生命と食』(岩波ブックレット)『動的平衡』(木楽舎)などで私も深く啓発され続けている福岡さんと、尊敬する辰巳さんとの出会いと共鳴が本当にうれしい。
過去記事:
砂の城ー『生物と無生物のあいだ』
小石と貝殻ー『生物と無生物のあいだ』
玄米スープ
辰巳芳子『あなたのためにーいのちを支えるスープ』
辰巳芳子さん考案の「スーパーミール」
今朝のおはよう-71 大豆の発芽
4 25, 2009 14.読書三昧, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
3月の初めに急性胃腸炎と診断され、ほぼ断食状態を経て、玄米、菜食中心に食生活を切り替えて2ヶ月近くなる。
主として食べるのは、玄米雑穀、全粒粉パン、豆腐、豆乳など大豆製品、豆・芋・根菜類、野菜、昆布、わかめなどの海藻、梅干し番茶など。
油はオリーブオイル、ごま油、サラダオイル。
動物性というと、魚と、卵とバターを少しくらい。
チーズは食べるが、牛乳は受け付けなくなり、もっぱら豆乳。
特に肉類を食べたいとはあまり思わない。
しかし一日に食べる量は、たぶん以前に比べて5割増ほど。
麻心のシンさんによると、そういう食生活を続けると、体重も一度落ちるところまで落ち、それから回復していくという。
たしかに、1ヶ月ほどで、56Kgあった体重が、高校時代以来最低の53Kgまでになり、体脂肪率などは、12%から5%(超アスリート並み?)まで下がった(今では55Kg、6.5%)。
腸をはじめ長年の老廃物が出されて動きが活発になり、肝臓や腎臓などへの負担も減っているのだろう。
辰巳芳子さんが注釈を付けて復刊した、お母さんの辰巳浜子さんが書かれた『娘につたえる私の味』(文藝春秋刊)を読むと、日本という風土のなかで、在の旬の素材を食べて生きて来た人々の食の工夫の積み重ねは、戦後わずか六十数年のアメリカナイズなどよりはるかに強く重く、合理的でもあり、持続的な力を持っているものだとあらためて感嘆する。
今後もこの方向を目指したい。
4 25, 2009 14.読書三昧, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
ご近所の教え子大庭夫妻を呼んで天ぷら。
種は、魚系は、丸八魚店(鎌倉小町)で求めた海老、わかさぎ、カマス、アオリイカ。
野菜系は、自然食品の店”Three Beens”(鎌倉小町)でのフキノトウ、タラの芽、カボチャ、人参、アスパラに、庭で摘んだ雪ノ下、三つ葉、山葵の葉と茎など。
胡麻油7:菜種油3くらいの割合で約190度。
揚げたてはうまく、春の味わい。
しかし、なかなか素材に会わせてカラッとは揚がらない。
天ぷらという調理法は "Tenpura" として国際語にもなっているが、いかに難しく奥が深いか、やってみて、また『天ぷら「みかわ」名人の仕事』(プレジデント社)を読んで考えさせられる。
日本橋茅場町「みかわ」店主、早乙女哲哉さんの同書中のことばは「天ぷら」を突き抜けて深い。
「よく”この種の揚げ時間はどのくらいですか?”という質問を受ける。私は”おいしくなるまで揚げて、まずくならないうちに油から出す”と答える。
…決まった揚げ時間があるわけではない。水分がほどよく抜け、旨みが際立ったところで油から引き上げればよいのである。
…仮にそのまま揚げつづけたとする。クセはどんどん抜けていくが、旨みもどんどん抜けていく。クセと旨みは表裏一体ゆえである」
3 30, 2009 06.私の好きな鎌倉の店・その他, 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
ブログのヤマイモとろろの記事を読んでくれて、卒業生の菅野博子さん(イラストレーション個展等で何回も紹介している)が見事な自然薯(じねんじょ)を私の胃の回復のためにと贈ってくれた。
菅野さんは福島県いわき市に住んでおり、地元の芋掘り名人からわけてもらったものだそう。
擦りおろしてとろろにし、昆布、かつを節、酒、醤油で出汁をつくって。
粘り気と旨味がすばらしい。
3 20, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
この間の急性胃炎の経験を通して、頭ではわかっていた「自然療法」「食養」を自分の生活、身体に徹底し、体質の改善をはかろうと決めた。
で、そのための指標測定のひとつとして「体組成計」というのを購入したら、これが実におもしろい。
体脂肪率計測付き体重計ぐらいまでは10年くらい前に使ったことがあるが「体組成計」とは何?
「体組成」とは、脂肪、筋肉、骨、水分など、体を構成する組成分のことで、「体組成計」は、脂肪はほとんど電気を通さないが、筋肉や水分は電気を通しやすい、ということを利用し、体の電気抵抗を測定することでさまざまなデータを得る。
一昔前の「体重計」とはまったく異なり、いかにもコンピュータ機器という感じの、MacBookPro並み厚みが15mmしかない(従来の1/3という)この計測器(「InnerScan50」/株式会社タニタ)に素足で乗るだけで、以下のことが測定され、18ヶ月にわたって記録が蓄えられる(4名まで登録可で、生年月日、身長、性別をあらかじめ入力)。
・体重
・体脂肪率
・内蔵脂肪レベル
・筋肉量
・推定骨量
・基礎代謝量
・体内年齢
・体水分率
ちょっと怖いものみたさ、という感じで乗ってみる。
今日現在の私のデータ:
・体重=56.3Kg
高校生時代からずっと53〜60Kgの範囲内。
・体脂肪率=12.1%
判定は「やせ」。
・内蔵脂肪レベル=6.0
9.5以下で標準。
・推定骨量(骨に含まれるミネラル量)=2.6
年齢からして標準。
・基礎代謝量=1320Kcal
「基礎代謝(BM=basal metabolism)」とは、「生きていくために最低限必要なエネルギー」のことで、安静時に必要な量。
一日の総エネルギー量は、これに「生活活動代謝量」と「DIT(食事に伴うエネルギー量)」が加わる。
基礎代謝は総エネルギー量の70%。
ということは、私の一日の標準的必要総エネルギー量は1886Kcalということになる。
・体内年齢=36歳
まだ意味がよく分からない。
・筋肉量=46.90(-2)
少なめ。体脂肪率と合わせた判定はやはり「やせ型」。
・体水分率=58.1%
血液、リンパ液、細胞外液、細胞内液など。
男だと約55〜65%、女は45〜60%。
え〜と、どういう数値目標を立てたらいいのだろうか?
3 13, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
本当は山野に自生する自然薯(じねんじょ)が一番うまいし栄養価も高い。
しかし、これはそうそう手に入るものではなく、かなり高価(ネット通販をちょっと調べたら、1〜2本程度、1Kgで¥3,700ほど)。
以前、長野県根羽村で、自然薯掘りの名人についていって観察したことがあるが、まず、ありそうな場所のアタリを付け、地上の蔓葉から所在と育ち具合を見て取り、芋を傷つけぬよう、また次期のためどう残すか細心の注意を払って掘り起こす、等々実に経験と労力と洞察力を要するもので、栽培ものと違い、とても一般的な流通には乗らない。
東城百合子『薬草の自然療法』(池田書店)よりー
ヤマイモは酵素が多く、腸内細菌の働きをよくします。
そして腸粘膜に活力をつけるので整腸し、浄血を助け、体細胞の働きも強めます。
病弱な人や、長わずらいの病人にとっても貴重な食べ物です。
ヤマイモは、澱粉消化酵素のアミラーゼがダイコンよりも多く、ヤマイモの澱粉そのものもとても消化がよいので、一緒に食べた他の食物の消化を促進します。
コレステロール過多の予防にも。
で、千葉産大和芋をとろろに。
昆布、削りぶし出汁と減塩丸大豆醤油で伸ばして。
3 10, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
まだ、固形物は胃が受け付けない。
昨晩、洗ってザルに上げておいた玄米。
鍋で炒る。
炒り上げた玄米。
「洗って水分を含んでいるから、おいおい米に花が咲く。ピチッピチッという心地よい音もするはず。この音を聞き、香ばしい香りに包まれつつ、全体が小麦色程度になるまでいる。きつね色では、成分がこわれるように思う」(辰巳芳子『あなたのためにーいのちを支えるスープ』より)
「小麦色程度」というのが難しい。今の都会人にとって「小麦色」といったら小麦畑の小麦ではなく、かなり日焼けした肌をイメージして「きつね色」より濃いと思ったりするのではないか。
これに、昆布、梅干しを加え、水を入れて30分ほど煮出し、濾して。
炒り玄米の香ばしい香りと滋味、梅干しのかすかな酸味…。
3 7, 2009 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
急性胃炎、頭痛、発汗などのため昨日からもう一日半、白湯、蜂蜜湯、リンゴジュース程度しか摂っていない。
このままではまったく力が出ないので、尊敬する辰巳芳子さんの『あなたのためにーいのちを支えるスープ』(文化出版局)を取り出し、あれこれ作ろうと思い立つ。
この本は辰巳さんが、母親から、また料理の恩師から受け継ぎ、そして父親の長年の闘病を支えるために工夫を重ねた和洋スープのバイブルであり、また人の愛情と尊厳をスープの湯気の向こうに見る食育と自然哲学の書でもある。
上のカバーに使われている作品は、私もベルリンのバウハウス・アーカイブ(Bauhaus-Archiiv)で観たことがある。
ルートウィッヒ・ヒルシュフェルトマック(Ludwig Hirschfeld-Mack)の "Gradation farbig"(1922/23)。
辰巳さんは「色は食材、並列は技法。それらのおのずからなる融合の美は、味というものの行き着くところと結びつく」と考え、この作品に深く共感してカバーに使ったのだった。
さて、準備するか…
3 6, 2009 14.読書三昧, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
13日からの多摩美上野毛デザイン展の準備のために大学に行っていたPartnerが、コンピュータルームで身体が冷えきってしまった、というので、囲炉裏と鍋。
岩手水沢の南部鉄しゃぶしゃぶ用鍋を久しぶりに取り出し、昆布とアゴで出汁。
しゃぶしゃぶ用ではないが岩手産牛の切り落とし。
あれ、炭も岩手の切り炭だな。岩手づくし。
水菜、フキノトウ、人参、ワカメ、ゴボウ、ニラ、白菜などを入れ、銀杏、里芋やニンニクを焼く。
肉、野菜を食した後の出汁汁を塩胡椒して飲むと滋味。
2 11, 2009 19.食と農、健康と病, 20.囲炉裏の愉しみ | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
1 12, 2009 19.食と農、健康と病, 33. iPhoneの愉しみ | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
一昨日から右背中、肋骨の一番下あたりが痛み出し、様子をみたが昨日はさらにひどく痛むようになる。
2ヶ月前にカメラをぶつけたところで1ヶ月ほど打撲の痛みが続いたのだが、それはいくらなんでももう治っているし、新たになにかぶつけた覚えもない。
「背中の痛み」などで検索すると「重大な腎臓、肝臓、膵臓などの病気のおそれ」とか「ガンで背中が痛くなる」とか恐ろしい記事が並んでいるので、そんなものを読むのはやめて湘南鎌倉病院へ。
レントゲンで骨はなんともない。
内蔵疾患の可能性があると言われ、点滴を受けながら血液検査の結果を待つ。
こういう臥してただ待っているときが、肝硬変や肝炎ではないか、とかさまざまな悪い方への妄想がふくらんで精神的によくない。
血液検査や尿検査で(酒飲みなので肝臓関係の数値はあいかわらず良くはないが)特に異常は見当たらない。
念のため保険でも1万円を超えるCTスキャン。
これも異常無し。ふぅ。
結局、整形外科的問題と診断される。
で、行きつけの池田整形外科(鎌倉由比ガ浜)へ。
血流は通常なので、首(頸椎)と腰(腰椎)が固くなっているのが神経系にひびいているのがおそらく原因とのことでリハビリ治療。
腰と首の牽引(ストレッチ)、低周波治療とマッサージ、ウォーターベッド。
ウォーターベッドは、シート上のベッドに仰向けに寝ると、下からの水流が強度とともにプログラムされていて、頸から足先まで柔らかくもみほぐされたり、トントンとたたかれたり、ちょっと病み付きになりそうな気持ち良さ。
う〜ん、簡易版でいいから家に一台ほしい。
11 10, 2008 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
11 3, 2008 02.私の好きな鎌倉の店・Cafe & Bar, 04.私の好きな鎌倉の店・中華・エスニック, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
ロサンゼルスに住む中学高校以来の友人が、心臓・腎臓同時移植という大手術を無事に乗り切り、LA郊外の自宅に戻った。
もちろん、最低半年は療養し、体力の回復と、感染症、生体拒絶反応等にも備えなくてはならない。
昨年末から腎臓の状態が急激に悪化し、以前から悪かった心臓も連動した。
残されたのは腎臓移植しかないといわれ、それに備え心臓ペースメーカーを入れる手術をしたのだが、これもおもわしい結果にならず使用を停止した。
アメリカでは腎臓移植には平均5年間は待たされるという。
体力がそれだけ保つとは思えず、心臓・腎臓同時移植をする決意をした。
その方が待機優先順位がぐっと上がる。
先月下旬、おりよくドナーが見つかり、10時間を超える大手術にのぞんだ。
術後、手術チームから「8月の最初の心臓内視で、もう死んでいてもおかしくないほどひどかった」といわれたという。
アメリカはとんでもなく医療費は高い。
心臓ペースメーカーだけで3,000万円。今回はそれに倍する費用かもしれない。
保険である程度はカバーできるといっても、仕事への復帰もまだ目処はつかない。
NYの池田菊衛くん(Tokyo String Quartet)や、ブルックリンに1年間遊学し、帰りにLAで彼に会ってきた「不良中年」、いつもの飲み仲間の悪友たちで同級・同期生たちに呼びかけ、一月ほどで百万円ほどカンパを集め、たいして足しにならないことは分かっているが支援の気持ちとして送金した。
彼からのメールから:
毎日、死と向かい合っていた時、私ばかりか家内までも、四十数年も会っていない、開成の仲間の皆様のご好意と友情に励まされ、勇気を頂いたことに、感謝する言葉が見つかりません。
これから、少なくとも半年は自宅療養になります。
腎臓移植と違い、心臓移植患者の平均生存年数は現在十年だそうですが、これからの十年は、贈られた第二の人生と思い、開成の皆様のご好意を無駄にしないよう、まず健康になり、悔いのないものにしたいです。
10 14, 2008 19.食と農、健康と病, 23.日々のなかで | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
1990年頃、鎌倉・佐助の谷戸奥の古い貸家に住み、その上のもう人家もない尾根下に思いがけず広がっていた荒れ放題の空き地を見つけて、まあ勝手に「開墾」し、野菜とハーブを少しずつ試していたとき以来の最良の指南書が、この『新版 農薬を使わない野菜づくり』(徳野雅仁/宝島社)。
それ以来、無くしたり買い直したりで、もう何冊か目になる。
(他にも同著者で『自然流家庭菜園のつくり方』/宝島社・『無農薬自然流野菜づくり』/ひかりのくに)等。
著者はもともとイラストレーターなので、発芽から成長、収穫までを実際のサイズでリアルに描いていて楽しい。
無肥料、無農薬、無耕転、そして「雑草」と共生させること、組み合わせた混作や輪作により、土壌は年々豊かになり、虫が多くいてもそれらを捕食する虫も多いので「虫害」は発生しない。
実際「開墾」をこの方法で始めて2年ほどで土はフカフカになり、長い棒を突きさすと、抵抗なく1m50cmほどは沈んだ。
植物の根やミミズや膨大な微生物たちが、自然に土を豊かなものに変えてくれているのだ。
こうした土の地下10cmほどのところには、ほんのスプーン小さじ1杯ほどの土に数億の微生物が含まれており、すべて他の世界と連関し、循環しあっている。
農薬、化学肥料、遺伝子操作等人間が創り出したものはこうした連関と循環を断ち切り、自然世界の一環でありながら目先の経済効率のためにそれらに頼っている人間たちのあさましく未来がない姿を浮き彫りにしている。
たとえほんの畳一畳ほどの土でも、ベランダのプランターでも、キッチンの窓辺でも、一日3時間ほどの日照でもいい。
これらの不断な自然の日々の営みを観察し、実感し、驚き、楽しみ、収穫し、味わい、感動し、学ぶことは必ずできるしやってみてほしい。
あなたの人生の転機になりうる。
8 1, 2008 14.読書三昧, 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
私の教えているところ(多摩美術大学造形表現学部デザイン学科)の3年生の4名が、「日本の食」の問題に取り組み、さまざまなイベント、ワークショップ、発表を行う。
「農」を軽んじ「工」を優先させた結果、「先進国」中、類をみない食糧自給率の低さにおちいっている日本で、必要カロリーの国内自給率分=996キロカロリーで過ごしてみる生活体験の記録映像とブログ、「見て驚く! 面白い!! 畑からやってきた野菜の展示!」「新鮮な産直野菜の試食」(協力:パルシステム)
「紙芝居で分かりやすい世界からみた日本の食料事情」
「アニメーション、アリとキリギリスから考えよう」
など盛りだくさん。
ぜひ行ってみてください。
イベント展示会
「わたしたちの食自由研究ーそれでEAT思うかい?日本の食」
●7/23(水)-24(木)
12-19時(入場18時半まで)入場無料
●会場
SPACE/ANNEX
東京メトロ人形町駅A5出口より徒歩1分
7 20, 2008 19.食と農、健康と病, 31. 「不都合な真実」をデザインする | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
「週刊文春」に先月から連載されている「福岡ハカセのパラレルターン パラドクス」がとても面白い。
『生物と無生物の間』『もう牛を食べても安全か』などで有名な分子生物学者、福岡伸一先生だ。
今週(6月26日号)は「なぜ私たちは太るのか」
青山学院大学での「毒と薬」という講義の一端。
あなたがイチゴのショートケーキを食べるとする。
一個約200g。
このうち水分は50%の100g。
水分は身体の中でバランスが取られるので、余分な水分は尿、汗、呼気として排出され、身にはつかない。
残りの100gの内訳。
小麦粉、クリームなどの炭水化物が60g、タンパク質20g、脂肪20g。
栄養素をカロリー計算する簡単な式
炭水化物 1g=4kcal
タンパク質 1g=4kcal
脂肪 1g=9kcal
そうするとこのケーキは
炭水化物 4×60=240kcal
タンパク質 4×20= 80kcal
脂肪 9×20=180kcal
計500kcalにもなる。
たとえあなたが一日部屋にひきこもり状態だったとしても、心臓と肺を動かし、体温を維持し、細胞を活動させるのに必要なエネルギー量は約2000kcal(もちろんこれは個人差や活動量にもよるので、あくまで平均)。
他に何も食べなかったなら、この500kcalはすべて基礎代謝に必要なエネルギーとして燃やされ、燃えかすは水と二酸化炭素となって排出される。
しかし、食事ですでに2000kcalを摂取していたとしたら、このケーキの500kcal分は、余剰となり、あなたの体重は増加する。
ここまでは小学生でも習うだろうし実感としてわかる(?)人も多いだろう。
さて、ここからがハカセの講義の眼目だ。
「これはある意味でヒトの悲しい性(さが)でもあります」とハカセは述べる。
ヒトの祖先が地球上に出現して以来十数万年の間のほとんどは今日の食糧をどう確保するかがもっとも重要だった。
次にいつ食糧にありつけるか分からないから、大きな動物をしとめることができたらむさぼり食い、余剰のエネルギーをすばやく蓄積する仕組みを発達させた。
「わたしたちの遺伝子は、今日のような飽食の時代を全く予想していませんでした。
つまり、私たちの生理的メカニズムは洞窟で飢えていた時代のまんま。だからこそ余剰のカロリーをちょっとでも摂取すると、それはすぐにでもお腹の周りの脂肪となってためられてしまう。これはほんとに当然のことなのです。
そして驚くべきことは、ケーキならたった四つで一日のエネルギー必要量をあっという間に充足してしまうという事実なのです。甘く見てはいけません」
写真はリモージュ・ボックスの「イチゴのショートケーキ」「イチゴのタルト」
過去記事
砂の城 ー『生物と無生物のあいだ』
6 22, 2008 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
2、3年前小鉢で購入して植えてあった明日葉(あしたば)が、今では1m50cmほどにがっしりと育った。一年中葉を繁らせ、採っても次の日にはまた若葉が出てくるのでこの名という。
商業用には主として八丈島で生産されている。
ビタミンA、カロチン、カリウムがとても多く、茹でてもビタミンなどがあまりなくならない。
『小林カツ代の野菜料理ミニ事典』(小林カツ代&キッチンS/じゃこめてぃ出版)はおいしく旬の野菜を食べるためのちょっとしたポイントが丁寧に書かれていて大好きな料理書だ。
あした葉のところには「あした葉の磯炒め」と「あした葉のおひたし」が載っている。
「磯炒め」に惹かれて読むと、湯がきざっと強火で炒めたあと「火を止めて焼き海苔1枚をもみ入れ、全体にからむように混ぜ、お皿に盛る」とある。
なるほど、それだけで「磯」の香りと楽しめる。
6 8, 2008 14.読書三昧, 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
5 11, 2008 19.食と農、健康と病, 27.ヨーロッパ行・考 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
5 10, 2008 19.食と農、健康と病, 27.ヨーロッパ行・考 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
5 7, 2008 19.食と農、健康と病, 27.ヨーロッパ行・考, 32. WIF(Webdesign International Festival) 2008/2010 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
5 3, 2008 19.食と農、健康と病, 27.ヨーロッパ行・考 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
パリは移民の街であり亡命者たちの街。
異質の文化が常に出会い、もちろん摩擦を生み、しかしお互いに受容し、共生してハイブリッドの新しい文化を不断に作り続ける街。
パリにはチベット人が100名以上は暮らしているという。
特にカルチェ・ラタン、パンテオンの丘のあたりは「Little Tibet(リトル・チベ)」とも呼ばれるほど料理、雑貨、アクセサリー、本屋などが集まる。
1959年のダライ・ラマ亡命時、家族に連れられてインドに逃れ、フランス留学の機会を与えられたのを期に26年ほど前からパリに住む女性が、1979年にまず雑貨店を開き、82年にはパリ初のチベット料理店「Tashi Delek(タシ・デレック)」をオープンする。
午後8時、まだ外は明るいが店内は客がいっぱい。
子連れの「普通の」フランス人家族や、パリジェンヌのグループ、独り黙々と食べる初老の男性などなど。
「ツァム・タン(Tsam thang)」(麦焦がしスープ)
チベットは高地で米はとれない。大麦を乾燥させ、軽く焦がして粉にしたものを主材料にしたものが「ツァンパ」料理。
本来は「ヤク」のチーズを入れるのだが、もちろんチベットから輸入などできないので、代用品を工夫している。
歯にあたる具はニンジンの細切りと少しのハーブしかないのだが、とろっとしたスープは倍煎茶のような香りと奥深い滋味に溢れている。
アムド地方のパンと。
チベットの餃子「モモ(Momo)」
パリでも人気のよう。皆注文している。
テーブルに「キッコーマン」も置いてあるのだが、何が原材料かわからないタレととても合う。
私にちょうどいい分量だと思っていたら、下段もあった。
食後の塩とバターの茶が実に旨く、短いが濃密だった12日間の滞仏の疲れを癒す。
静かにかわす "Free Tibet !"
4 26, 2008 15.社会・政治・思想・歴史そして世界へ, 19.食と農、健康と病, 27.ヨーロッパ行・考 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
3 27, 2008 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病, 26.今朝のおはよう | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
日本で売っているシリアルなどは甘ったるかったり、素材に疑念があったりして食べることはほとんどなかったのだが、ヨーロッパをあちこち旅したとき、その土地土地の旨いシリアルに接して見直すきっかけになった。
尊敬する料理研究家、辰巳芳子さんがスイス高地に住む人々が常食にしているミックスシリアルを参考に、日本の材料をもとに考案され作られた「スーパーミール」(プラザホテル板倉製・北海道深川市)に魅せられている。
不摂生、不養生、胃弱、少食、飲み過ぎな私の朝昼兼用食の基本とすることに決めた。
このなかに穀物、豆、胚芽、種実類7種がバランスを考慮して配合され成分の劣化を防ぐよう低温ローストされている。
●燕麦(えんばく)
馬に欠かせない飼料だったが馬の減少とともに作られなくなった。
辰巳さんは、この燕麦が雑穀のなかで一番食べ心地がよく良質のタンパク質、脂質を含み栄養的にも優れているという。北海道産。
●ひきぐるみ蕎麦粉
蕎麦を作るときは「内層粉」が良質とされるが、そば湯を飲むべしというように、栄養的には「表層粉」にビタミンB1、B2、D(ルチン)が豊富。北海道産。
●きな粉
北海道産大豆を使用。炭水化物、タンパク質、脂質に富み、消化性がいい。
●小豆(あずき)粉
北海道産。カリウムに富み、ナトリウム過剰な日本人の食生活に最適。
あずきは砂糖とともに食べられることが多かったが、砂糖とは切り離して摂取できるようにしている。
●玄米胚芽
東北産。
白く「精米」される過程でほとんど捨てられてしまうが、ビタミンB1に富む。
●小麦胚芽
同じく「白い食パン」にされるプロセスで捨てられてしまう。
北海道産。ビタミンB1、Eが多い。
●胡麻
大分県産。50%が脂質、タンパク質が20%等栄養価と消化吸収がいい。
食べ方はいろいろ。
いちばん簡単なのは、牛乳を注いでしばらく浸すだけ。
干し葡萄、木の実、果物、蜂蜜などを加えて。
オートミール風に煮ても、等々。
一食分約180円。
3 3, 2008 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
この前「麻心」(鎌倉長谷)で販売しているのを見つけ試食してとても旨かったインドネシア・バリ島産の天日塩を購入したのだが、たまたま店でこれを販売している会社の方と隣り合わせ話をうかがった。
今の日本ではとても気候的にも経済的にもできない昔ながらの人手による製法。
製造・輸入にあたっては「フェアトレード」に徹している。
普通に一度出来上がった塩を室内温度56℃になる温室で天日干しすると、不思議なピラミッド型になる(別に型に流し込んでいるわけではない)。
塩の歴史について書きたいことは色々あるが、とりあえず二つ。
日本における明治以来(それ以前も「藩」が統制したが)の国家による塩の専売が最終的になくなり、販売が自由になったのはわずか6年前(2002年)になってからにすぎない。
もうひとつ、日本人の味覚は、化学調味料、たんぱく加水分解物(いずれも「旨味」のもととなるアミノ酸)と、いわゆる「食卓塩」によって破壊されてきたこと。カップ麺や粉末出汁などが典型。
『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物』(安部司・東洋経済新聞社)
ナイスワンプロジェクト(この塩の販売元)
2 14, 2008 02.私の好きな鎌倉の店・Cafe & Bar, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
バレンタインデーをひかえチョコレートが売れるシーズン。
「チョコレートはメ・イ・ジ♪」の明治製菓に対して、グリーンピース・ジャパンが昨秋からキャンペーンを張っている。
チョコレートの原材料表示に「大豆レシチン」とか「大豆由来」と表記されている。この大豆が「遺伝子組み換え大豆は使っていない」と明記できない「不分別」のものなのだ。
中国の明治製菓が遺伝子組み換え作物由来原料は使わないと明確に発表しているのに、日本の本家が使っているかどうか分からない不明瞭な状況。
遺伝子組み換えは大量生産と経済性から生み出されたもので、除草剤をかけても枯れない耐性を持つもの、自ら毒を発して虫を駆除する殺虫性のあるものなどがあり、環境・健康リスクをもたらす。
EU(27カ国)では遺伝子組み換え原料を一切使わないチョコレートが市場を占めている。
日本への輸入品では、スニッカーズ、M&Ms、国産ではブルボンも一切使っていないという。
2 12, 2008 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
WOWOWで放映している全米TV視聴率No.1の科学捜査ドラマ「CSI(Crime Scene Investigation)科学捜査班」シリーズ(ラスベガス・ニューヨーク・マイアミ)は事件現場に残された些細とも思える物的証拠の緻密な科学分析とチームメンバーの人間描写が大好きで、仕事をしながらよく横目で見ている。
なかでも「CSI・マイアミ」のホレーショ(デヴィッド・カルーソ)が最高だ。
犯罪者を人間として見つめ、しかし被害者の立場にたって犯罪自体を絶対に許さない姿勢、チームリーダーとしての采配とメンバーへの心配り…。
写真はハンガリー、ブダペスト市内で見かけた「CSIマイアミ」の番組広告(2007年2月撮影)。
中国産餃子中毒問題を、「そこまでは調べなかった」とかなにか半素人っぽく、連絡・報告もバラバラな日本の検査機関ではなく、できるなら彼らに委ねてみたい。
ホレーショの決めぜりふ「お前を必ず捕まえてやる」。
2 5, 2008 19.食と農、健康と病, 27.ヨーロッパ行・考 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
庭で収穫した唐辛子を泡盛に漬け込んだクースーが2週間を越えたので「ラ・ジュルネ」に持って行き、石垣島出身のキャシーに味見してもらう。
キャシーが作っているものは唐辛子が底に沈んでおり、私のはまだまだ大部分浮かんでいる。
「もう少しね」
1 21, 2008 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
WIF2008(ウェブデザイン国際フェスティバル)の予選コンペの課題テーマは、
"L'eau, c'est la vie !"
"Water is Life !"
だったが、フランス語「Vie」も英語の「Life」も「生命」「いのち」であり、「生活」「暮らし」であり、また「一生」「人生」をも意味する。
まさしく、水こそ地球上すべての生命の源であり、もっともたいせつなものだ。
「麻心」で扱っている「飲用宙石(そらせき)」(学術名:緑色片岩)を購入しミネラルウォーターを作る。
宙石は太古の海中でおよそ2億年かけて海のミネラルが凝縮してできた鉱物。その後の地殻隆起で地上で採取される。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分など天然ミネラルが、多孔質の石から溶け出し、半日ほど漬けた水道水が岩清水のような水に生まれ変わる。
飲用、炊飯、調理、植栽などに。
メンテナンスがまた簡単。
月に1〜2日、ザルにあけて、陽や月光にあてるだけ。
宙石(そらせき)サイト
1 20, 2008 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
ラ・ジュルネの石垣島出身キャシーに教わり、庭で収穫した唐辛子を使って沖縄風辛味香辛料作り。
沖縄では丈の短い「島とうがらし」を使う。
「作る」といっても4合瓶に三分の一ほど唐辛子を入れ、泡盛を注ぐだけ。
2週間ほど放っておけばできあがり。
石垣など八重山では「クースー」、沖縄本島では「コーレーグース」と呼ぶ。
沖縄そばにふりかけたり、さまざまな調理の隠し味にも。
1 3, 2008 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
私たちヒトは、すべて植物や動物という他の「いのち」を日々食べることによってしか生きていけない。
にもかかわらず、私たちはこれらの「いのち」が現在どのように育てられ、「収穫」「屠殺」「加工」され「食品」となってスーパーやコンビニの店頭に並ぶのかほとんど何も知らない。
生きている牛や豚や鶏はもちろん知っている。
しかしそこからパッケージされた「牛ロース300g」や「豚バラ肉200g」などになるプロセスを、繰り返すがほとんど何も知らない。
オーストリアのニコラウス・ゲイハルター監督・撮影のドキュメンタリー『いのちの食べかた』(原題『Our Daily Bread』日々の糧)をイメージフォーラムシアター(渋谷)で観る。
ここで撮し出されているヨーロッパの大規模な農畜産漁業の姿には、明るい草原でのどかに草を喰む牛とか、丹誠こめて作った作物を純朴そうな農家の娘が嬉しげに収穫するなどという私たちがなんとなく希望的にイメージする牧歌的な光景など微塵もない。
たとえばフランスやイギリスの田舎あたりでは今でもよくあるだろう、週末の猟で仕留めた兎や鹿を庭でさばいて軒下につるし、裏庭で育てた野菜やハーブを採り、川や湖で釣った魚をおろし、来客のためにジビエ料理やシチューの準備をするなどという暮らしのあり方、作物を育て世話をする手間苦労と楽しみ、収穫の喜び、大地の恵みへの感謝の気持ち、あるいは家畜とともに暮らし、やがて手放したり殺したりするときの哀しみなどの人間的感情の一切入り込む隙間もない対極にある「生産性・経済性第一」の工業的光景がここには拡がる。
モノカルチャーの大量農作物育成と生産性第一のやり方は自然に反するために必ず無理を生じ、さまざまな農薬や化学肥料を必要とする。
種子を採るための広大なひまわり畑にぶ~んと複葉機が飛んでくる。こちらに向きを変えた瞬間、農薬(短期で種子を収穫できるようにするための枯凋剤)の猛烈な散布が始まり、カメラに向かって白粉が拡がり、観ているわれわれも全身にそれを浴びる。
防毒マスクを着けた完全装備のスタッフに半自動化された散布機で農薬を浴びせられるトマトたち。
巨大な温室のなかのパプリカは自然の土ではなくパッケージ化されたロックウールにコンピュータ制御された養液を注入されて実る。レール自走式の農薬散布と収穫。
まるで奴隷のように実って嬉しいだろうか、きみたち…。
見たこともないような機械やシステムが出てくる。
クワガタのような先端を持つマシンがアーモンド畑を進む。
なんのためになにをしようとするのか。
やがて太い幹を抱え込む。
次の数秒間、いや十数秒だろうか、強烈な振動が樹に加えられ、実がこぼれ落ちる。
電気ショックによる拷問のよう。
おもむろに後続のシャベルカーが現れ実を取り込む。
地上に降り立ったUFOが扉を開けるときのように、キーンという音とともに車から長いウィングが畑に全開する。
一斉に農薬散布。
ピッチングマシンのようなもので次々にベルトコンベアにほうり込まれるヒヨコたち。
雌牛が眼の前にいて発情しても実際の交配などさせず人工膣で精液を人工授精用に「横取り」される雄牛。
遡上してくる鮭の群れは網などでは採らない。巨大な真空ポンプでチューブに吸い上げられる。
職人が3枚におろすなどという悠長なことはしない。
ベルトコンベアに「セット」された鮭はマシンによって自動的に腹を割かれ、内蔵はチューブで瞬時に吸い取られ次の「工程」に送り込まれる。
映像は撮されている内容・意味と対照的にとてもアーティスティックで美しい。
ただしナレーションもテロップもBGMも一切ない。
すべて実音のみ。
機械に押しつけられる子豚の悲鳴、額に電撃ショックを与えられ崩れ落ちても心臓はまだ動いている今際の際(いまわのきわ)の牛の息吹き、逆さに吊された牛の血や胃液の流れ落ちる音、何万羽という鶏の鳴き声、さまざまな無機質で規則的なマシンやベルトコンベアの音、わずかに異国からの出稼ぎ労働者仲間の昼食時のアラビア語会話…。
コンベアで流れてくる臓物を淡々と処理する、あるいは豚の脚先を黙々と切り取るなどの作業をしていた女性が、サンドイッチのランチを孤独に無表情にあまり旨そうにではなく食べる姿が哀しい。
私たちが、日々恩恵を(やむを得ずではあれ)受けながら、目を逸らしている「食」の大元の現実がここにある。
「食とはいのちの矛盾を咀嚼することでもある。これは欧米も日本も変わらない。生きとし生けるものの業であるこの矛盾を、僕たちは整合化してはならない。矛盾は矛盾として受容せねばならない。端数を四捨五入してはならない。忘れないこと。意識におくこと。目をそむけないないこと。凝視すること。
そのためにこの映画はある」(森達也)
11 23, 2007 12.写真・映像・映画・演劇, 19.食と農、健康と病, 31. 「不都合な真実」をデザインする | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
麻心で購入した殻付き麻の実。
塩水にしばらく漬けてから水気を切り、少しの油で煎る。
カリッとした歯触りとゴマに似た香気が気持ちいい。
麻の実なんて食べたことないと思うかもしれないが、前にも書いたように誰でも食べている。
七味唐辛子の七味のうちのひとつだし、いなり寿司やがんもどきなどにも入っている。
タンパク質、脂質、糖質、食物繊維に富み、大豆のようなアレルギー性物質を含まない。体のなかで合成できないアミノ酸、必須アミノ酸8種類がすべて含まれている。
釈迦も、晩年の6年間、毎日麻の実と麦だけを食べて生活するという「麻麦(まばく)の苦行」を経て悟りを開いたという。
ヘンプ(Hemp)の普及について少し企画を進めているので、ちょっとずつ関連することを載せていきます。
11 20, 2007 19.食と農、健康と病, 30. Hemp(ヘンプ)の薦め | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
秋雨のめっきり寒くなった夜、授業帰りのPartnerとラ・ジュルネで温野菜プレート。
ざっくり切ったキャベツ、ブロッコリー、ズッキーニ、ニンジンなどの新鮮な鎌倉野菜、綾子さんの実家から送られてきたむかごをオリーブオイルと塩胡椒でシンプルな味付け。かけられた澄んだ煮汁も旨い。
Partnerは「お風呂上がりに化粧されてお澄まししている野菜たちが並んでいるよう」と書いたが、たしかに田舎娘も帰国子女も混じったきれいどころがおめかしして集結という感じ。
11 10, 2007 04.私の好きな鎌倉の店・中華・エスニック, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
父の死後、老母は荻窪の家を引き払い、私の住む鎌倉にマンションの部屋を借りて独り暮らしを始めた。
独りだからと冷蔵庫は小さなものを用意した。
が…
しばらくして行ってみると、冷蔵庫は入りきらないほどの食品で溢れかえっている。
奥の方のものはとっくに消費期限切れ。
やがて…
二回りほど大きなものに買い換えた。
…しかし事態は変わらない。
戦時中、戦後の食料難を経験し、その後、父方の大家族の台所を担ってきた老母にとって、独り暮らしになっても、大量の食品を確保してあるということ自体が安心感をもたらすようなのだ。
私と同居するようになり、私とは食事、食料品は別にしているのだが、400リットルクラスの冷蔵庫は一時母が買い込みため込む食品でいっぱいになった。
老母は「冷凍庫」は「永久保存庫」だと思っている。
前に買っているのに忘れたまま新しく購入する。
食べ残しをタッパーに入れて冷蔵するのだが、すぐにいつのものやら分からない状況になる。
ぎっしりの「野菜庫」の底で、もともと何であったのか判然としないものがドロドロに液状化していたりする。
人形の目の細かな表情を描けるのに、食品の賞味・消費期限は読めない(読もうとしない、ないし読みたくない)。
老母が宅配の生活クラブで毎週山のように買い付けていたのを、最近ではPartnerが管理権を握り、必要最小限にとどめるようにしたので、事態は少し改善されつつあるが予断を許さない。
10 3, 2007 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
遊びにきた女優の近藤佑子ちゃんが買ってきてくれた「ポタジエ(Potager)」のケーキ。
「ポタジエ」はフランス語で「家庭菜園」。
2003年に宇都宮でオーガニック野菜がメインの店を開いた柿沢安耶さんが、デザートに野菜を使ったスイーツを出して評判になり、2006年に中目黒に「パティスリー ポタジエ」をオープン。
左から、グリーンショートトマト、ゴボーショコラ、トウモロコシのミルフィーユ、ベジロール・ジャガイモ、アボガドレアチーズ。
7 30, 2007 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
鎌倉小町の「ハーツイーズ」で萩尾エリ子『八ヶ岳の食卓ー簡素でおいしいレシピ 美しく愛しい普通の一日』(西海出版)を入手した。
萩尾さんは1976年に蓼科に移住し、ハーブショップ「蓼科ハーバルノート」とオーガニックレストランもやっていた(私も昔行ったことがある)。
その中に出てくる「キュウリの冷たいスープ」を無性に食したくなり、作ってみる。
牛乳とキュウリが合うとは思いがけない発見。
キュウリは身体を冷やすので暑いときにぴったり。
2人分のレシピ:
1. キュウリ2〜3本をフードプロセッサーで刻む(下し金で荒く下ろしてもいい)
2. 牛乳2カップにスープストック(固形スープでも)を加え、下ろしたキュウリを入れて、塩、胡椒し、さっと火を通す
3. 冷蔵庫でよく冷やす
4. きつね色に揚げたニンニク片(クルトンでもいいかも)、ハーブやパセリ、生クリームなどを浮かせて
7 1, 2007 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(1)
以前、「田舎家を守る会」の仲間と長野県根羽村の畑に大豆を蒔き、収穫して味噌を作ってもらうということをやったことがあるが、成長するプロセスは見ていない。
尊敬する料理家で随筆家の辰巳芳子さんが子どもたちに「大豆100粒運動」というのを広めている。
子どもたちが手のひらいっぱい分、約100粒の大豆を蒔き、成長、収穫、料理と食をともにすることで、日本の農と食文化の未来につなげようというもの。
100粒分も育てるところがないので少しだが蒔いてみた。三留商店で購入した北海道産のもの。
高度成長期、「食べるための農業から売るための農業へ」を合い言葉に日本の農は利潤追求、経済合理主義一辺倒になった。
「だけど、考えてみれば、もうからないけれども必要だから作るというのが食の自給の思想です。だからいろんな作物を作ってきたんですよ。もうからない作物は捨てて、もうかるものだけを作っていくということは、自給の否定であり、このときから個々の農家としても、国家としても、この国は自給を放棄したということなんですよ。
ダイズとナタネがアッという間に姿を消しましたね。こりゃあすごかったですよ。たったの二、三年で消滅しました」(山下惣一『農から見た日本ーある農民作家の遺書』清流出版)
味噌、醤油、豆腐、納豆、煮豆、枝豆、食用油など、日本の食に欠かせない材料のもとである大豆の国内自給率は今わずか5%。
最近あまりマスコミには出ないが、輸入もの(主にアメリカから)の農薬、ポストハーベスト、遺伝子組み換えの問題は底流として続いている。
6 21, 2007 18.花・木・野菜・生きものたち, 19.食と農、健康と病, 26.今朝のおはよう | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
私が役員をしている会社(リモージュ・ボックスやチメルフなど美術工芸品の輸入・紹介・販売など)は、代表である友人とともに小錦の現役時代ホームページを作っていた関係もあり、その後「コニシキ・キッズ」の活動への支援をしている。
小錦がプロデュースしている店「あんばらんす(unbalance)」のリニューアルオープンに招かれて行く。東京ドームシティLaQua(ラクーア)の1階。
小錦のオアフ島のファミリーがシェフに直伝したハワイ料理の店「HuLaHut(フラハット)」、ちゃんこ鍋ほかさまざまな肴が楽しめる和食処「ごっつぁん」、大関時代の化粧回しも飾ってある「あんばらんす寿司」の3店が200坪にもわたって拡がる。
11 3, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
10 4, 2006 02.私の好きな鎌倉の店・Cafe & Bar, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
「納豆」を外国人に説明するのはなかなかに難しい。
大豆(soybeans)は世界中で食べられているが、納豆が同じsoybeansなのだと理解してもらうのにまずかなりな説明を要する。
今でこそ「tofu(豆腐)」と同様ヘルシーな食品としてニューヨークでもパリでもバンコックでも手に入るが、太平洋戦争下、シンガポールで日本軍に捕らわれたオランダ兵たちは、収容所の食事に出された納豆を腐ったものと思い込み捕虜虐待だと訴えたという。
英語で「fermented soybeans(発酵させた大豆)」。
フランス語やイタリア語になるとそれぞれ「soja etuve et fermente(ソージャ・エチュヴェ・エ・フェルマンテ)」「soia bollita e fatta fermentare(ソイヤ・ボッリタ・エ・ファッタ・フェルメンターレ)」と、ん?これが納豆のことかと驚く大層な名前になる。
フランスの人、イタリアの人、「tofu」と同じようにどうか「natto」と簡素に呼んでくださいな。
写真はラ・ジュルネでいただいた筑波山麓鬼怒川ほとりに伝わる「乾し納豆」。
(糸引き)納豆をそのまま乾燥させる。硬いがしっかり納豆のにおいと味わい。そのまま酒のつまみ。お茶漬けにも。
9 26, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
オリヂナルジョーズのデザートに触発されて、Partnerが作ったイチジクとリンゴの赤ワイン煮。豆乳アイス添え。
9 19, 2006 19.食と農、健康と病, 25.My Partner | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
宮代肉店(鎌倉長谷)で購入した牛ヒレ肉の塊を塩胡椒し、囲炉裏の炭火でじりじりと炙る。切り分ければ中はジューシーなレア。ほんの少しホースラディッシュを付けて。
9 19, 2006 19.食と農、健康と病, 20.囲炉裏の愉しみ | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
Partnerが研修で遅いので私が自製カレー。
え〜、例によってレシピのようなものはありません。あるものを見ながらイメージ。デザイン(設計)されてませんね。
冷蔵庫をあさって、老母が買い込んでいるものから鶏ミンチ肉を見つけそれをベースに、タマネギ、ジャガイモ、庭のピーマン、「アジア商会」で購入した一缶100円のナポリ産ホールトマトにイギリス・シェアウッド(Sharwood's)のカレーペースト。作りながら各種香辛料と塩を加え、"Today's Special Curry for Only Us"。
8 21, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
Partnerが実家からもらってきた伊豆戸田のズワイガニの身と庭で摘んだイタリアンパセリなどでカニサラダ。
シチリア「ラヴィダ」のオリーブオイルでの自家製マヨネーズをたっぷり。
5 29, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
上野毛のミキさんからいただいたシチリアのエクストラ・ヴァージン・オリーブオイル「ラヴィダ(RAVIDA)」
300年以上前から野生種のうち食料用の良質なものを選別し接ぎ木で今に伝わっているそう。ラヴィダの専用自家畑で摘んで8時間以内にコールドプレスする。添加物はもちろん使わない。数々の賞を獲得し、アメリカの料理専門誌も「one of the best of the world」と絶賛する。
そのまま皿にとり、カンパーニュにたっぷり浸して。
みずみずしい果物香とほのかな甘み、さらりとして脂っぽくない。訪れたことはないがシチリアの陽光と海原とのびのびと拡がるオリーブ畑が頭に浮かぶ。
Partnerがこのオリーブオイルでマヨネーズを即製、サラダにこれもたっぷりと。
すばらしくなめらかでクリーミーな味わい。
5 18, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
Partnerが学校、私が家なので夜食にカレーを自作。
『カレー学入門』(辛島昇・辛島貴子/河出文庫)によれば、インドの友人たちにカレーになくてはならない一番重要なスパイスは何かときいたところ、彼らがあげたのは「胡椒」「ターメリック」「クミン」「マスタード」「コリアンダール」と「唐辛子」だった。唐辛子は「新大陸の発見」以降のものだが、前の5つは、南インドのヒンドゥー教寺院の刻文に神に捧げる調味料の組成として9世紀にすでに書かれているという。
そのうちスパイスだけから作ってみたいが、きょうは昔よく行った銀座ナイルレストランのカレーパウダー「インデラ・カレー」(ナイル商会)をもとにする。
ニンニク、生姜をこがさないよう、タマネギのみじん切りは別に飴色になるまでオリーブオイルで炒める。栃木黒毛和牛の切り身、ジャガイモ、人参、ミニトマトも軽く。刻んだセロリとホワイトマッシュルームは後で入れる。黒胡椒を粒のまま。カルピスバター、赤ワイン。
Partnerはカジュ祭で「客に食べてもらう」おもしろさにあらためて目覚め、レシピ作りを少しずつやっているのだが、私の場合は味を見ながら自分の好みで作っているのでレシピにならず二度と同じものはできない。インデラ・カレーの他にも上記の6つのスパイスをさらに加えているのだが分量は分かりませ〜ん。
が、美味しい…
5 18, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(1)
パリ東160Kmの中世の街トロワにブティックをかまえるショコラティエ、パスカル・カフェ(Pascal Caffet)。
「ヨーロッパの工芸と食フェスティバル」(日本橋高島屋-8日まで)のために来日したのだが、器材の不具合で残念ながら実演はなし。パトリックと話し込むカフェ氏。
このフェスティバルのためのモーツァルト生誕250年記念限定アソートを購入。
フランボアーズ ガナッシュ、パレ オール コーヒーガナッシュ、白ワイン入りパッションフルーツ ガナッシュ。
カカオの苦み、フルーツ、コーヒー、白ワインなど芳醇な味わい。
5 7, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
盛りつけ、トッピング、パンの手配と大忙しのPartner。
私は隣の鎌倉ワイン・アカデミー、出石さんのワインをちびちびやりながら、食べ終わった皿の処理や会計。
テイクアウトも意外と多く、容器に貼る手描きステッカーもその場で追加。
4時までなのだがすでに1時前には用意してきた約40食分が完売。
幸い皆さんが美味しいといってくれる。「お店はどこにあるんですか?」と何人もから聞かれてPartnerも苦笑。
ブログで知り合った横浜の料理教室の先生Limeさん(写真下)ご夫妻もみえて、味を誉めてくださる。
4 30, 2006 19.食と農、健康と病, 25.My Partner | 固定リンク | コメント(3) | トラックバック(0)
第10回Khaju(カジュ)祭。
Partnerと加藤晴之さんデザインの自転車で大きなタッパーや鍋を運び込む。
鎌倉二階堂のうぐいすの声がすがすがしい、古い民家の裏庭。井戸の上に材料を広げる。POPは手作り。
写真中が「オリジナル・ベジタブルフード」のサンプル。
Stewed Beans(豆の煮込み)。三種の豆、ガルバンゾー(ひよこ豆・チャナ豆・エジプト豆)、ラジュマ(金時豆)、グリーンスプリット(青えんどう豆)を使って、メキシコのチリコンカーンのような、フランスのラタトゥユのような、オリジナル。
Mush Sweetpotato(マッシュポテト)はリンゴの白ワイン煮とさつまいものマッシュを合わせたもの。カボチャの種を炒って砕いた粉をトッピング。
FreshGreenSalad。マスタードグリーン、ルッコラ、クレソンに白ワインビネガーをきかせたドレッシング。
Stewed Plune(プルーンの赤ワイン煮)。
最後に生クリーム。
その他、ブランデーやピクルスなども隠し味に。
今週出ている「Hanakoー湘南・鎌倉楽しい暮らし特集」にも紹介されている鎌倉扇ガ谷の「Yam's」パン職人「mas-me(マスミ)」さんが隣の石釜で焼きあげたばかりのピタパンが付く。
4 30, 2006 19.食と農、健康と病, 25.My Partner | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(1)
鎌倉二階堂にある築七十余年の家を利用し、さまざまなアートイベント、チャリティ企画などを行っている「カジュ・アート・スペース」が主宰する「第10回Khaju祭(カジュ祭)」が、4月28日、29日、30日に開催される。
今年は鎌倉市が後援する「鎌倉路地フェスタ」の一環として実施され、雪ノ下、二階堂、小町など市内のあちこちで地元アーティストの作品展示即売やパフォーマンス、ワークショップ、フリーマーケット、地域情報交換など多彩な催しが楽しめる。「カジュ・アート・スペース」の「裏庭カフェ」では鎌倉ワインアカデミーによるワインや石釜ピザなど毎日美味しいものを提供。
で、会員となっているPartnerも、29日(土)に「オリジナル・ベジタブルフード」を出品する。私もたぶん皿洗いなどの手伝いに。
50食ほど用意しなくてはならないメニューを今いろいろ試作中。
下は今晩上野毛のミキさんに試食してもらうために詰めたもの。
4 24, 2006 19.食と農、健康と病, 25.My Partner | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(2)
ポーランドの磁器フィギァ「チメルフ」を輸入販売している関係でポーランド大使館に行った仕事の相方が、名古屋だったら日本で唯一のポーランド料理店がありますよ、という話を聞いてきた。
で、名古屋白川通り、科学館、美術館前のポーランドレストラン「ポロネーズ」へ。
ポロネーズはもともとはポーランドの農民の祝祭、特に結婚式のときの舞曲。3拍子の行進曲風。
ショパンの「軍隊ポロネーズ」「英雄ポロネーズ」「幻想ポロネーズ」は名高いが、それ以前のバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンにもある。
ポーランド料理といってもイメージがわかない。行く途中でアンジェイ・ワイダやカワレロビチなどポーランド映画の数々を頭のなかでサーチしたのだが、どうもポーランドの人が何を食べているのか印象にない。
広義のスラブ系だからロシアやチェコ、スロバキアなどとある程度似通っているのだろう。西に接したドイツの影響も受けて、ジャガイモやアイスバイン系統の煮込みとロシアのボルシチの混合みたいなものがあるのかな、と思っていたらだいぶ違う。
上、猟師風カツレツ、中、ローストダック
Absolwent(アブソルヴェント)というウォッカが、たまに飲むやや甘ったるいズブロッカに比べてとてもすっきりして旨い。
4 20, 2006 19.食と農、健康と病, 22.旅先で | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
こごみ。
草蘇鉄(くさそてつ)の若芽が巻いている様子を「かがんで(こごんで)いる」と見立てて。
私は倉本聰「北の国から」ファンだったので、「こごみ」というと児島美ゆきさんが演じた「こごみ」さんがすぐ頭に浮かぶ。
令子(いしだあゆみ)と別れ、幼い純(吉岡秀隆)と蛍(中嶋朋子)を連れて故郷富良野に戻った黒板五郎(田中邦衛)がつかの間懇ろになり蛍の顰蹙を買う。
その後帯広あたりに行っていた設定だが、井戸を掘っている五郎のところに来ての場面が大好きだ。
富良野を訪れたとき「こごみ」という店を見かけ、もしやと思ったら児島美ゆきさんが関係されている店だった。そこで購入した落ち葉入り和紙灯りはまだ使っている。
3 7, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
オリーブは実の食用や採油のために有史以前から栽培されてきた。
現在ではスペイン、フランス、イタリア、ギリシャ、トルコなどの地中海沿岸が主産地。
『旧約聖書』創世記第8章、いわゆる「ノアの箱舟」では、大洪水後の様子をさぐるために放った鳩がオリーブの枝をくわえて戻ってきたことで、神の怒りがおさまったことを察する。以来オリーブをくわえた鳩は平和、平安の象徴となった。
文字通り『口紅から機関車まで』デザインしたレイモンド・ローウィ(1893-1986)による日本の煙草「ピース」のパッケージ(1952年発売)にはオリーブの枝葉をくわえた鳩が描かれ、戦後の日本人の平和への願いと呼応した。国連の旗にもオリーブの枝がデザインされている。
アンセルモ(鎌倉七里ガ浜)で購入したイタリア De Carloのジャイアントオリーブ漬け。
普通のオリーブは漬け過ぎの感じがするのが多いのだが、これはとてもすっきりした若々しい実の味わい。
2 17, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
朝鮮(高麗)人参はいわゆる野菜のニンジンとはまったく別種のウコギ科の植物。
もともと深山に自生し根は中国では紀元前から貴薬とされてきた。
人手による栽培は日本が一番早く1730年代には成功した。江戸幕府が召し上げ各藩に種子を与える形をとったので「御種(おたね)人参」とも呼ばれたという。
現在の栽培地は長野、福島、島根など。
収穫まで5〜6年かかる。
収穫後は同じ所では少なくとも10年から50年は間をあけないと再度の栽培はできない。それほど大地の栄養分、エネルギーを徹底的に吸い尽くす。
新陳代謝を促進する各種のサポニン、精油分、ビタミンB1群などを含む。
Partnerの兄さんからもらった高麗人参酒。
口に含むと焼酎が少しとろっとなっており、土臭い根の味が拡がる。
2 8, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
Partnerの兄さんが経営する新宿ゴールデン街のZUCCAをまかされているハルキチさんからもらった「5th Avenue Chocolatiere(フィフス・アベニュー・チョコラティア)」の「シャンパン生チョコレート」。
木箱の蓋を開けるとプンとシャンパンの香りが立ちのぼる。
チョコレートの原料カカオの調査・収集の仕事をしていたジョン・ウェイリーという人が1976年にニューヨーク5番街にチョコレート専門店を開設(その後マディソン街に移転)。永年の経験と技術でオリジナルなレシピを作り、ベルギー直輸入の最高級材と職人たちの技が支えている。
縁がないから知らなかったが、JAL、ANAのファーストクラスなどのデザートとしても使われているそう。
2 7, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)

上野毛「ミキ」の美紀さんの友だちLaymamaさんは、もう3年以上フランス東部サヴォアの山間の町シャンベリーで暮らしている。
江戸前鮨「以ず美」の写真には「私には拷問です…」とコメント。
で、当地で最大限手に入る素材を使って作った涙ぐましい(?)自家製スシ(美紀さんに送られてきた画像より)。
2 3, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
この間のようなスープカレーが食べたい、とPartnerに言われて作っていたのだが、ドロッとしたいわゆるカレーになってしまったのでライスにかけて。
だいたい私は二度と同じものは作れないのだ。
まあ旨いからいいけれど。
1 21, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
夕べから何も食べられず寝込んでいるPartnerのために、ちょっとでも滋養になるかとクリームシチューを作る。
宮代肉店で仕入れた地鶏にdeux mille deuxのゲランドの塩「グロセル マラン オザルグ」(ゲランドの塩にブルターニュ特産のアサオ、ダルス、ヒバマタという海藻が混ぜられている)をもみ込み、無塩カルピスバターで炒める。
一度取り出し、タマネギのみじん切りをその脂で透明な飴色になるまで。
小麦粉をまぶす「サンジェ」のような高級技はちょっとパス。
ジャガイモ、人参、カボチャ、セロリを加え煮込む。
きょうは三留商店で購入したコスモ食品というところのクリームシチュー・ルーを入れ、最後に生クリーム。
これだけは食べてくれたがまだ38度ほどの熱が続いている。
1 6, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
え〜、よくわからない私作のトマトシチューです。
ニンニク、タマネギのみじん切りをオリーブオイルで炒め、三留商店で購入したイタリア・ホールトマトをベースに、ジャガイモ、人参、キャベツ、セロリ、先日のローストビーフを入れ、イタリア産のスパイス「ペッシェ(Pesce)」で味付け。
二度と同じものはできません。
1 4, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
新春の猪股裕一教授邸で、長崎雲仙黒豚肩ロースのローストを御馳走になる。
野生の猪はアジアからヨーロッパに広く棲息していたので、それを家畜化する養豚と豚肉食は、古代中国、ギリシャ、エジプトなどでほぼ同時に始まったらしい(ただし、その後作られていった諸宗教のなかで、ユダヤ教、ヒンドゥー教、イスラム教では豚肉は徹底的にタブーの対象とされ避けられる)。
中国とのつながりが深かった琉球王国ではすでに中世には養豚と豚肉食が行われ、後に琉球を支配した薩摩藩に伝わった。
一方、これも大陸との窓口だった長崎に養豚が持ち込まれており、この雲仙黒豚につらなっているのだろう。
豚肉とは思えない柔らかいジューシーさと旨味が素晴らしい。
1 4, 2006 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
担々麺はなかなか奥が深い。
「担」はになう、かつぐ、というような意味で、中国西北の四川地方で肩にかついで移動する屋台で供されたそば、がもとのようだ。
1952(昭和27)年に、中国の料理人資格として最高位の「大厨師」である陳建民氏が来日し、赤坂に四川飯店を開いたところから、四川料理の麻婆豆腐や海老チリソースなどとともに担々麺も知られるようになった。もともとの担々麺にスープはないが、「担々湯麺」とでも呼ぶべきスープ入り担々麺は陳建民氏の考案によるという。
担々麺たる要件はなんなのか。
スープの有無に関わらず、芝麻醤(チーマージャン=練り胡麻)、唐辛子、山椒による味付けは不可欠なのだろう。その他に干し海老、醤油、酢、ラードなどが加わる。
陳建民氏の弟子である久田大吉さんの店、上野毛「吉華」の担々麺。
左にちょっと写っているような大きな黒化した唐辛子が3つほど入っている。
11 23, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
deux mille deuで購入したイタリアの有機栽培大麦コーヒー「ORZO MONDO」。
大麦の持つ鉄分、カルシウム、リンなどを壊さないよう低温焙煎されており、胃に負担がかからない、という。
たしかに「大麦〜」という味わいで旨い。
10 22, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
深夜食。
deux mille deux(鎌倉御成)で買ったイタリアのセサミ(ゴマ)入りスティックブレッド(Grissini)にフィレンツ産と書いてあるアンチョビーのチューブ入りペースト。ペーストが濃厚な味わいでグリッシーニとよく合う。
三留商店(鎌倉坂ノ下)で入手スペイン産ポロネギのクリームスープと。
10 12, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
上野毛の私の大学キャンパス隣の四川料理「吉華」は久田大吉さんの店として有名だ。
久田さんは1944年長崎県生まれ。高卒後中国料理人を志し、四川料理の雄、故陳建民のもとで修行、85年世田谷上野毛に店を開く。個人的には麻婆豆腐はここが一番。上野毛「ミキ」でもよくご一緒する。
この『久田大吉の中国料理馳走録』(柴田書店)は、前菜、魚介類、肉・内臓類、野菜、豆腐とその他、スープ、麺と飯、点心、醃菜(漬物)に分け、レシピと調理プロセスを写真とともに丁寧に掲載してある。
ひとつひとつの料理はもちろんおもしろいのだが、一番最後に「中国料理をおいしくつくるこつを考えてみました」というわずか1ページに記されたことが印象深い。
簡単にまとめると、
1. 素材の切り方と調味のバランスをとる
調理は刀工技術(包丁の使い方、切り方)と鍋(加熱、味つけ)のバランスが最も大切。素材に適した切り方、調理法や味つけに合った切り方をしなければ素材の持ち味を生かすことはできない。
2. 材料に応じた調理をする
新鮮な材料は材料本来の味を生かし調味料の味で殺してはならない。
生臭みのあるものはさまざまな調味料で生臭さを取る。
素材そのものに味のないものは旨味を補う。
3. 味付けは状況に応じて臨機応変に
ビジネス街のランチなら御飯のおかずになるよう少し濃いめに、年配のお客には薄味に、若い人にはボリュームを。
またその土地の気候や季節にも関係する。
料理は決まりきったものではない。時と場合によって臨機応変に対応する想像力が必要なのだ。
以前触れたフレンチの巨匠アラン・シャペルは『ルセットを超えるもの』(柴田書店・音羽和紀訳ー現在絶版 ※「ルセット」は「レシピ」)で「ルセットは、その時々の気分や素材から即興的になされるものを考慮に入れずに、ただ書いてある通りにコピーするよう、ひとに要求する。想像の自由を成り立たせるもの、変化、革新、驚きといったさまざまな喜びのうちに創り出されるものを完全にないがしろにする。てこでも動かぬ焼網(鉄格子)がいっしょだと、ルセットも監獄に似てくる」と述べた。
極めた人たちは洋の東西を問わず結局同じことを言っている。
9 27, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
NHKBShiの再放送で『金色輝く千枚田ー長野県姨捨』を見る。
稲作文化圏では、人々は古来から山腹傾斜地でも米を作れないかと工夫を重ねてきた。面積が小さくとも水平地を少しずつ棚のように作り稲を植えた。
棚のように見えるので「棚田」と呼ばれ、たくさん連なるので「千枚田」とも称される。
現在でもフィリピン、台湾や東南アジア各地に多く、中国雲南省の高地では大規模に行われている。
田の畦は等高線に沿い、なだらかな曲線を描き美しい風景を生み出す。
しかし平地とは違い農機具の運搬も大変で機械化は難しく、ほとんど手作業となる。
また用水も田ごとに手を入れなければならない。
長野県千曲市姨捨(おばすて)の山腹に拡がる千枚田は最も多かった時に比べると三分の一になったというがまだ2000枚ある。小さいものは畳1畳分ほどしかない。しかし土が粘土質で水持ちが良いためとても旨い米ができる。
人々は重労働に耐え、秋の収穫に「田毎(たごと)観音」に感謝をささげる。
20世紀の生産性・効率至上主義、市場原理からはさっさと放棄・リストラクチャリングさるべきものとされるだろう。
21世紀のこれから私たちはどう考える?
棚田保全のための都会人との連携がいろいろ企画され、収穫には東京などから300名が参加したという。
『日本の棚田—保全への取組み』(中島峰広・古今書院)
『百選の棚田を歩く』(中島峰広・古今書院)
中島峰広(元早稲田大学教授)は日本における棚田研究の第一人者。私の中学時代の恩師。
9 24, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
夏の終わりの野菜の花と冬の訪れの始まりの間引き菜と鯉の造り。大根のシャーベットとともに。
琵琶湖畔の地下水で育てられた鯉は一点の泥臭さもなく清涼で、実山椒の後味と溶け合う。
ハモは関東では馴染みが薄いが関西より西ではよく食される。錦市場にもたくさん並べられていた。白身だが脂分は多く旨味が強い。小骨が多いので丁寧に骨切りする。
蕎麦掻きをハモで巻いて奥深い味わいになっている椀。
さまざまな逸品を楽しんだ後「手前どものメインディッシュでございます」と出されるのがお寵(くど)さんで土鍋で炊きあげられた御飯と炭火で炙られた目刺し、京の漬け物。
「なかひがし」で食した後は自分がこれまでの人生で抱いていた「食」の観念が確実に変わる。
9 24, 2005 19.食と農、健康と病, 22.旅先で | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
『草菜根』で触れた中東久雄さんの店「草喰(そうじき) なかひがし」に運良く予約が取れた。あるガイドブックによれば今京都でもっとも予約を取れない店だそう。「通」は「なかひがし」の予約が取れてから宿と足を手配するという。
※使っている「じき」の漢字は口が食の上にくるが変換できない
銀閣寺近く、表はごく普通の民家店のたたずまい。店の女性が静かに水を打つ。
カウンターの中、中央に紅色のどっしりした「お寵(くど)さん」。昔はこれを作る「くど師」というのがいたそうだ。
信楽「雲井窯」中川一志郎さんの緑釉土鍋2つ分のかまどと炭火焼きのための火床が客を迎える。
9 18, 2005 19.食と農、健康と病, 22.旅先で | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
「アラン・シャペルの想い出」と名付けられたジャスミン・ティーのプリンポッド。
アラン・シャペル(Alain Chapel 1937-90)は「厨房のダ・ヴィンチ」と呼ばれた現代フランス料理の偉大なシェフ。リヨン郊外のミヨネーに店がある。
フランスでの修行の後、神戸ポートピアホテルの「アラン・シャペル」でアルバイトしていた西原金蔵は、来日したシャペルの知遇を得る。フェア用のワゴンデセール(ワゴンに多くの種類のデザートを載せ、客席まで運んで好きなものを選んでもらうサービス)を任せられた西原は二十種ほどのデザートを渾身の力をふりしぼって作る。シャペルは一見しただけで味見もせず「いいだろう」という。
その後シャペルはキンゾーを専属のパティシエとしてミヨネーに呼び寄せる。
あるときシャペルが自分でデザートを作り、ああでもないこうでもないと盛りつけをしていたが、隣で西原が盛りつけた皿を見て「お前が盛ったものがアラン・シャペルだ!」と言ったという。
表面のカラメルは焼き固められ、中は日本でいうプリンというより生クリームの味わい。
9 14, 2005 19.食と農、健康と病, 22.旅先で | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(1)
一般的な相関関係があるのかないのか分からないが、酒飲みで少食なのになぜかスープ類は好きだ。別に西洋料理のスープに限らずトムヤンクン、中華の湯、韓国のもの…。
食の歴史によれば、ヨーロッパで、煮込んだ肉、野菜と煮汁とを別々に食するようになったのは18世紀になってからにすぎないらしい。
歴史が浅いからか英語でもフランス語でも同じ「soup」(ただしフランス語ではスープ類の総称は「potage ポタージュ」)。そして「飲む」ではなく「食べる」と表現する。
で、益子「リス・ブラン」でも触れた音羽和紀シェフの『なんでもスープ』(柴田書店)。
音羽シェフはフランスでの修業時代、よく訪ねた農家のおばちゃんに、お腹はすいてないかい?さぁさぁスープを食べなさいといつもふるまわれた。
大きな鍋にたっぷり水を張り、野菜だけ、あるいは骨付きの生ハム、ベーコンの切れ端、残った鶏肉などをばらしてぐつぐつ煮込む。初日は軽い塩味で、翌日はミキサーでポタージュにして。
日本でもスープをしっかり「食べて」ほしいと願う音羽シェフのこの本には、基本となるブイヨン、コンソメの作り方はもちろん、たとえば「日曜のブランチ、あんまりいろいろ作るのはめんどうだからスープとパンだけですませたい」「暑い夏の日、さっぱりとした冷たいスープが飲みたい」「病み上がり、食欲はないけれど栄養はとりたい」「ビールに合うスープがほしい」などなどにぴったりのスープレシピと写真がいっぱい。
調理プロセスはパンフォーカスで、仕上がりはたぶん中望遠マクロレンズで絞りを開けた写真(撮影:高橋栄一)も素晴らしい。
9 2, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
少年のころから陶芸の道を志ざし、東京高等工業学校に進んで巨匠・板谷波山(1872—1963)に学んだ濵田庄司は先輩であり後に民芸運動を共にする河井寬次郎が赴任していた京都の陶磁器試験場に勤め、釉(ゆう・うわぐすり)の試験研究を中心に4年間を過ごす。
1918(大正7)年のリーチ展で初めてバーナード・リーチと話し、終生の友となり、1920年、リーチの帰郷に同行して渡英、関東大震災(1923)で帰国するまでの3年間滞在する。
グレート・ブリテン島西南端ウェールズのコーンウォール地方にあるセント・アイヴスという古い港町。
濱田はこのコーンウォール地方の郷土料理であるパースティを好んだ。
パースティ(Pasty)は、牛肉、ジャガイモ、蕪などを細かく刻み、パイ生地で包んでオーブンで焼いたもの。昔、この地の錫鉱山夫たちの弁当として重宝されたという(泥が手についていても食べやすい)。
帰国して益子に居をかまえた濱田はこの本場のパースティーを思い、地場の新鮮な野菜を使って試行錯誤を重ね(大根を使いよりジューシーに)よく食した。
濱田家に伝わるこのパースティーを、宇都宮「オーベルジュ・デ・マロニエ」の名シェフ音羽和紀氏が取り入れ「フォレスト益子」併設の音羽氏がオーナーである「レストラン リス・ブラン(Lis Blanc)」で定番の一品として味わえる。
9 1, 2005 19.食と農、健康と病, 22.旅先で | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
銀座「竹富島」で沖縄料理。
私もパートナーもあまり脂っこいものはだめなのでさっぱり系の定番。酒は泡盛久米仙古酒。
「ゴーヤ」
ほんの少し湯がいて薄くスライス。たっぷりの削り節と。
「島らっきょう」
普通のらっきょうとは違い細長くシャキッとした食感。血が固まるのを防ぐアデノシンを多く含み、これを食するためかどうかわからないが沖縄は脳卒中や心臓病が日本一少ない。
「海ぶどう」
沖縄本島、宮古島、伊良部島などの海域に生息する海藻。たくさんの小枝に分かれ、2〜3mmの小さな緑色の球状の葉がぶどうの房のようになっている。噛むとぷちぷち口の中ではじける海のグリーンキャビア。
「豆腐よう」
中国の「腐乳」という大豆の発酵食品が伝わり、沖縄の島豆腐(大豆の生搾りを苦汁や海水で固め、重石で凝縮する固く濃い豆腐)をもとに工夫されたらしい。島豆腐をサイコロ状に切り、塩をふって干乾しして乾燥させる。泡盛と紅麹あるいは白麹の漬け汁に漬け込み3ヶ月以上寝かせて熟成させる。まさに大豆のチーズ。
「スク豆腐」
スクガラスと呼ぶアイゴの稚魚を塩、酒で漬けたものを島豆腐に載せて。小さいがけっこう骨っぽいので口の中に刺さることも。塩味と島豆腐がよく合う。
「ソーメンチャンプルー」
ゴーヤチャンプルーも好きだがソーメンチャンプルーもいい。チャンプルーというのはもともとは野菜と豆腐を炒めたものを総称したが、なんでも一緒くたに混ぜ合わせてしまうということでもあり、朝鮮の「ビビン(ビビンバ)」などアジアの食文化と通じている。
8 29, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
日本国はいかなる意味でも共和国ではない。天皇は英語で言えば「Emperor」(それをまた日本語に訳すと「皇帝」)だから「日本国民統合の象徴」だなどと言ってみても外国から見ればせいぜい19世紀の遺物の「立憲君主制」くらいだと思われている。
ところが宇都宮に「共和国」が設立されたのだ。その名も「宇都宮餃子共和国」。
市内に散在する餃子の名店7店をはじめ餃子の戦後日本発祥の流れを汲む東京神田「天鴻餃子房」などご当地4店を一同に集め、餃子の「聖地」をめざす。
旧ジャスコを改装した複合商業ビルの一角に、餃子が宇都宮に急速にひろまった昭和30年代の繁華街の再現(横浜ラーメン博物館の餃子版)をコンセプトに7月30日にオープンしたばかり。
それぞれ個性があるのだろうが、ここはまず地元出身の学生に聞いた銘店「みんみん」の焼き餃子。
店それぞれの飲食スペースがあるわけではなく、路地やちょっとした広場のテーブルで食べる。
白菜がたっぷり。生姜が少量効く。皮はやや厚めだが胡麻油でカリッとし、噛むと具がジューシー。
これで一人前(地元ではシングルと呼ぶ)6個でわずか¥220。
宇都宮は戦前、帝国陸軍第14師団の司令部および駐屯地がある軍都であり、彼らは中国東北部に出征した。
餃子はもともとこの地が発祥であり清代に他の地方にもひろまった。
戦後復員した人たちが安価で滋養に富むこの食を、同じように寒暖の激しい内陸性気候の土地のニラやニンニクなども工夫して日本風餃子を作り上げた、といわれる。
まあおおいにがんばってほしい。
8 15, 2005 19.食と農、健康と病, 22.旅先で | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(1)
友人にお祝いにもらった「ダロワイヨ」の菓子。
私はスイーツ系はまったく駄目なのでよく知らないのだが、「ダロワイヨ DALLOYAU」というのは1700年、ヴェルサイユ宮殿でルイ14世のおかかえパン職人として仕えていたシャルル・ダルワイヨが始まりという。以来フランス王家代々の食膳係として名声をはせ1802年ジャン・パティスト・ダルワイヨにより創業とある。
興味の有る方はダロワイヨサイトへ。
8 13, 2005 19.食と農、健康と病, 23.日々のなかで | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
人間が生きていく上で塩は不可欠であり、古代から交易の重要な物資だったので、しばしば権力がその販売権を独占した(日本でも江戸時代は藩が、また明治国家では日露戦争の戦費調達のため国家の専売となり、廃止されたのはようやく1997年のことだ)。
塩は主として海水からと太古海だったところにある岩塩層から採れる。
写真の『ゲランドの海の果実(Fruits de Mer)』(duex mille deuxドゥミルドゥで購入)はフランス・ブルターニュ地方南部のゲランドの塩田で、おそらくケルト人が住んでいた頃の古代からの伝統製法により海水から作られる。塩田に浮く白い結晶を、水面に浮く花びらを摘むように手作業で採取される。
そのままで酒のつまみになるし、野菜に付けてもいい。マグネシウム・カルシウム・カリウム等のミネラル分が多く含まれ、プロの料理人も激賞する。
7 2, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
3月に京都に行ったとき、銀閣寺近くの白川通から今出川通にさしかかったところで、行ったことのある友人が、ひなびた木造の店を指して、これが「なかひがし」と教えてくれた。
のれんの脇に板があり「お寵はんの ご飯に 炭火の肴と 山野草を添えて」と筆文字で書かれている。
京都生まれの同僚の先生からお祝いにいただいた『草(そう)菜(さい)根(こん)-そしてご飯で、ごちそうさん』(文化出版局)がこの「なかひがし」のご主人である中東久雄さんが書かれたものだった。「なかひがし」の上には「草じき(そうじき)」(草を食べさせる御馳走人)とあるのだが「じき」の字がコンピュータでは出なかった。「口」が上にあり下に「食」。
中東さんは大悲山峰定寺にある有名な日本料理屋「美山荘」の先代の弟。
毎日北山の山野をめぐり、床にいける花や、料理に飾る葉っぱ、山菜摘みをして、大原や上賀茂のお百姓さんから野菜を分けてもらい、店に入る。
この本にはその季節の料理のレシピが載っている。写真入りなのだが料理の名前の字面を見ていくだけでもうおいしそうでぜひとも食べたくなる。
いくよ。
「かきの殻焼き・ふきのとうもろみのせ」「つくしとたんぽぽの鴨すき」「さよりと芽かんぞうの酢の物」「こごみとかつおの酒盗あえ」「わらびの牛肉八幡巻き・柚子こしょう酢添え」「さわらびと葉たけのこと湯葉の炊合せ」「氷魚の木の芽煮」「あわびと花山椒の炒め煮」「塩漬けいたどりのいり煮」「じゅん菜・岩梨添え」「モロッコ豆と秋みょうがのごまみそあえ」「田ぜりと氷魚のうま煮」「たことのびるのあえ物」「野あさつきと鯉のてっぱえ」「日本たんぽぽのおひたし」「よもぎ豆腐」「野三つ葉とこのこのおひたし」「若鮎のたで煮」「山ぶきと鯉の煮物椀」「しのごぼうのごまびたし」「白ずいきとかんぞうの花と岩たけのおひたし」「干し山椒葉と生節のうま煮」「干しずいきと身欠きにしんの炊いたん」「水菜のからしあえ」「鯖と壬生菜の雪鍋」「たにしの実山椒煮」「地生えきゅうりの葛煮」「白うりのもろみそあえ」「賀茂なすとはもの煮物椀」「榧の実の塩いり」「栃餅とせりのみそ汁」「椿かぶら」「焼きぶりのみぞれ椀」「のびる粥」「嫁菜ご飯」…
4 16, 2005 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(1) | トラックバック(0)
理論社から刊行されている「中学生以上すべての人の」新書シリーズ『よりみちパン!セ』がとても素晴らしい。2004年10月から今1月まで、重松清『みんなのなやみ』、白川静監修『神さまがくれた漢字たち』、みうらじゅん『新しい保健体育』など7冊が出た。2月には小熊英二の『日本という国』がラインナップされていてわくわくする。
「学校でも家でも学べないリアルな知恵満載!」というキャッチフレーズはたとえば11月刊の『いのちの食べかた』(森達也)についてみても嘘ではない。
私たちはいうまでもなく動物、植物の「いのち」を毎日食べて生存している。
日本では1年間に約130万頭の牛と1600万匹の豚が「食べらている」。牛は牧場で育つ。豚は飼育場だろう。それは見たこともあるし想像もつく。私たちはスーパーでパックされた切り身だの挽肉を買って食べる。
で、「あいだ」はどうなっている?
どこかで誰かが牛や豚を殺し、解体し、最終的に人間が食する「肉」となる。どこで、誰が、どういうふうに?
学校で教えてくれるか?父親は教えてくれるか?誰も教えてくれない。TVでも放映されない。
森は芝浦と(屠)場をTVドキュメンタリーとして撮ろうとしたことがあった。それはさまざまな軋轢と反対に遭って実現しなかった。
なぜか?
話は牛などの渡来史から「不浄」という観念、部落差別の歴史と現状の問題につながる。
「肉だけじゃない。僕たちはいろんなものから、気づかぬうちに無意識に目をそらしている。見つめよう。そして知ろう。」
1 13, 2005 14.読書三昧, 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(1)
私の勤務する大学のある世田谷区上野毛には実に旨い豆腐店(東京仁藤商店)と私が授業後(私のところは夜間学部)終電まで生息するワインとおばんざいの店「ミキ」がある。仁藤さんも常連だ。
豆腐を作る上で豆乳を絞ったカスである「おから」というものが生成される。
いわゆる「卯の花」などとして調理され供されるのはごくほんの一部にすぎず、これが「産業廃棄物」として「処理」されるのは忍びないと仁藤さんは常々思っていた。
大豆蛋白、ビタミンB1、ミネラル、サボニン、イソフラボン、食物繊維など多くの栄養素が残っており健康にいい。
なにか使い道はないか。
考えたのがおからを煎ったお茶だ。実際にやってみるとおからは実に水分が多い。お茶として煎りあげるには数々の試行錯誤が必要だったが、ようやく「卯の花茶(製造者・味希╱販売者・東京仁藤商店)」として製品化することができた。
今、冬用にティーバックにした形で、自然食品の店「F&F(Fresh & Fine Foods)」(自由が丘・下北沢・玉川高島屋・桜新町・等々力・学芸大・祐天寺)の各店舗で販売され好評だ。
佐賀小城産フクユタカ大豆からできたおからを手造りで丁寧に煎りあげた「卯の花茶」は「浅煎」「深煎」の2通りあり、「浅煎」は軽い味わいだがよりおからの香りを楽しめ、「深煎」はコクのあるお茶となっている。どちらも焙煎の香ばしさが漂う。
ロゴとラベルデザインは私がプレゼントした。
12 24, 2004 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(2) | トラックバック(0)
仕事上の必要や何か特定のことを調べようと思って購入したわけではないが、発売されたばかりの『日本語から引く「食」ことば英語辞典』(小学館)がおもしろい。
食や料理に関する約4000の日本語から英語が引け、解説や用例、特に外国人にはわかりにくいものに関しては英語での説明、基本語についてはフランス語・イタリア語・中国語も載っている(ただ辞典としては英語での索引もできればほしい)。
普通名詞、特に日本に特有(とされている)ものについて英語でなんというかはそれなりに面白い。
そうだ「こんにゃく」は「devil's tongue jelly(悪魔の舌のゼリー)」と呼ばれるんだった、とか、「sashimi」はすでに19世紀後半に英語に取り入れられ、「tempura」がOEDに初出したのは1920年(大正9年)、「fugu」も英語になっているとか。
「味」や「香り」「匂い」に関しては複雑だ。
舌で感じる味は「taste(テイスト)」だが、においや香りを含む風味ということになると「flavor(フレイバー)」を使う。匂いは一般的には「smell(スメル)」だが嫌な匂いに使われることが多い。
花や木、ワインなどの芳香は「fragrance(フレイグランス)」、素材本来の香りや発酵・焙煎によるものなど鼻で感じる香りは「aroma(アロマ)」。これはウィスキーにも使われる。
「umami(旨味)」(池田菊苗博士の発見した昆布のだし汁の旨味成分であるグルタミン酸ナトリウムによる旨味ーのち化学調味料に工業化される)はそのまま英語に取り入れられ、甘い(sweet)、酸っぱい(sour)、塩辛い(salty)、苦い(bitter)と並んで5番目の基本の味としてAmerican Heritage Dictionaryに解説されている。
料理自体に関することばも食文化の違いが表れて興味深い。
同じ「焼く」といっても、英語では、肉や魚をオーブンで焼く「roast(ロースト)」、直火、焼き網などで焼く「grill(グリル)」、パン、ケーキなどをオーブンで焼くのは「bake(ベイク)」、パンなどをこんがり焼くのは「toast(トースト)」、強火でさっと表面を焼くのは「brown(ブラウン)」など使い分ける。
また「揚げる」のは単にフライではなく、英語の「fry(フライ)」は薄く油を引いて「炒める」の意で、日本でいう衣揚げ(天ぷら、えびフライ、トンカツなど)には「deep-fry」を使う。
クイズ番組に使えそうな記述もある。
「シーザーサラダ(Caesar salad)」は、レタス、ガーリック、アンチョビー、クルトンにオリーブ油、半熟卵、レモン汁、粉チーズを加えたものだが、ローマ帝国のシーザーとはなんの関係もなく、メキシコのレストラン「Caesar's Place」で、大勢の客にあわてた店主が店にあったものをすべてぶちこんで作ったことから、とか、
「持ち帰り」はもうすっかり日本語になってしまった「take out(英ではtakeaway)」だが、レストランなどで食事を食べきれないときに残りを持ち帰るための袋のことを「doggy bag」という。元々「うちの犬のためだ」と恥ずかしそうにお客が言っていたことが始めだが、今その言い訳がなくなっているのに袋の呼び方は変わっていない、等々。
10 26, 2004 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(0)
山下惣一さんの本が立て続けに刊行されて読めるのはうれしい。
『ザマミロ!農は永遠なりだ』(家の光協会)『食べものはみんな生きていたー生きるということはほかのものの命をいただくこと』(講談社)『農から見た日本ーある農民作家の遺書』(清流出版)
山下惣一さんは1936年(昭和11年)生まれ。佐賀唐津市で中学卒業以来50年以上農業を営む。
かたわら文筆活動を続けてきた。『海鳴り』(70年・農民文学賞)『減反神社』(79年・地上文学賞・直木賞候補)『この大いなる残飯よ!』『タイの田舎から日本が見える』『産地直想』等々。
日本の農業は1960年頃を境に急激な「近代化」がはかられた。山下さんはそれ以前と以後の両方を体験してきている。
そしてこの「近代化」と「アメリカの小麦戦略」と呼ばれる農産物の輸入をはじめとする戦後の「食」の国策的な欧米化、そして近年のグローバリゼーションの結果、日本の「農」は今崩壊寸前にある。
1955年(昭和30年)に3戸に1戸だった農家は、今総世帯のたった4%に過ぎない。
食料自給率はカロリー換算で40%、飼料用を含む穀物の重量ベースでは28%にまで落ち込んだ。もちろん「先進国」中で飛び抜けて低い。
朝日新聞は先日の社説で「国際競争力を高めよ」などと相変わらず述べている。
「国土」の7割が山で、わずかな平野部と谷川沿いで営まれている日本の農業は、単一作物への特化(これは必然的に土壌の劣化をもたらす)やアメリカ的な大規模化をはかったりはできないし、またアジア等の数十倍の生活費用を要するところで直接的に国際競争力を強化するなどというのはまったくの幻想にすぎない。
「農」を工業と同列におき、生産性・効率・価格競争力・成長そして最終的に利潤で評価する市場原理がグローバリゼーションのひとつの基調である。
それは「競争」すれば世の中は良くなるというイデオロギーをまきちらしている。競争に負けるのは企業努力が足りない質の悪いものであり、経済競争によって優れたものだけが生き残り、世の中を豊かにするという「新自由主義(ネオリベラリズム)」だ(「社会ダーウィニズム」が再来している。これが個人に適用されると「勝ち組」「負け組」となる)。
「自由化でつぶれる農業ならつぶれても仕方がない」「農、工の単位面積あたりの生産性は工業の方が1500倍だ」「トヨタと日産の売上高の方が農業粗生産額より多い、限られた土地を農地にしておくのは不経済だ」等々の特に80年代以降の農業不経済論はいまだ続いている。
96年にベストセラーになった『勝てば官軍』(なんというタイトルだ)で日本マクドナルドの藤田社長は「農民も海外に出て行けばいいのだ」と言い放った。労賃の安いベトナムやタイでコシヒカリやササニシキを作り日本に輸入すればいいのだ、という。南米の熱帯雨林を焼き払って牧場化し肥え太った会社の社長ならではか。
野菜・果物の「開発輸入」という名の日本によるアジアの経済植民地化は急速に進行している。今や生鮮野菜の2割弱が日本の商社等の肝いりで中国等で日本向けに生産された輸入ものだ。
山下さんは、「身土不二(しんどふじ)」の思想を発展させたいと願っている。
もともとは仏教語で、人間と世の中は別々ではなく一体である、というような意味だったが、明治30年代に石塚左玄らが唱えた「食養道運動」のスローガンとして使われた。人間の体とそこの土は一体であるから、わが住む四里四方で採れた旬のものを正しく食すべし、とする考え方で東洋医学や有機農業をやっている人々の間で引き継がれてきた。
むろん輸送手段や冷凍冷蔵技術が発達しているから四里四方に限る必要はない。しかし燃料石油を大量消費しながら地球の裏側から金にあかせて運んでくるのはおかしい。
人の命と健康の源である食料は「地場地消」(その土地でとれた農産物をそこに住む人々が消費する)がもっとも望ましいだろう。そして人口密度の高い日本は生産地のすぐそばにたくさんの消費者がいるという有利な条件があるのだ。
山下さんは世界40ヶ国以上の農業を見、農民と交流してきている。
世界で8億人といわれる飢餓状態の人々のことも考える。
山下さんの結論は「農業は、それぞれの国や地域で可能なかぎり自給する、その方向でみんなが支援し協力していくというのが、地球上から飢餓をなくす唯一の正しい方向だ」「自由貿易をどんどんすすめていけば、飢餓はなくなるというのはウソだ。農産物の貿易は、あまっているところから不足しているところへ、ではなく、値段の安いところから高いところへしか行かない。だから、日本みたいな飽食の国がある一方で、飢餓の国があるわけだ」(『食べものはみんな生きていた』)。
グローバリゼーションはこの構造を固定し拡大再生産する。
「農の原理は循環であって成長ではありません。その母体である自然界がいささかも進歩発展しないためです。この大いなる循環の中に農も食も人々の暮らしの根本もあるのです。」
「持続的、永続的な農業と安全な食と健やかな暮らしを目指すとすれば…直線的に昔に帰ることではなく、現代の技術と知恵で原理原則を、決して行き詰まることのない循環に転換していくということです」(『農から見た日本』)
8 20, 2004 19.食と農、健康と病 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック(1)